みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。早いもので今週から12月に入り、今年も残すところ1ヵ月を切りました。さてそうしたなか今回も窓についての解説です。

11月に新たに発生した窓や今週新たに発生した窓をめぐる値動きはどのように変化したのでしょうか。確認したいと思います。

【図表1】 日経平均株価 (日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

11月12日と13日のあいだに発生した新たな窓ですが、先週の株価の反発で埋める結果となりました。また、12月に入って今週発生した窓についても4日の大幅安で一気に埋める結果となっているのが分かります。このように直近で発生した窓は発生しては埋められる展開となっているようです。

では、まだ埋まっていない窓についてはどう判断すればよいのでしょうか。そこで重要になるのが、トレンドではないかと思われます。トレンドの判断に使われる最も一般的なテクニカル指標は移動平均線ですが、今週に入ってからの移動平均線の向きと株価の動向を見ますと、75日移動平均線の向きは下向きに変化しているのが分かります。

また、株価の動きでは75日移動平均線上を維持できずに反落しています。そのため、75日移動平均線上を回復できるまでは、埋まっていない窓のうち3月の窓を埋める可能性の方が高くなっているのではないかと考える必要がありそうです。

なぜなら、株価が75日移動平均線を下回った状態が長引くようですと、75日移動平均線の下向きの角度がさらに下がってくることが考えられるからです。さらに上向きの25日移動平均線を下回るようですと、11月の安値に接近したり割り込んだりすることが視野に入り、3月の窓を埋める可能性が高まることになるのではないかと思われます。

年末相場は株高期待と年足で前年の大納会の終値を上回ったかどうかが注目されますが、75日移動平均線を下回ったまま3月の窓を埋めるのか、あるいは75日移動平均線を上回って10月の窓を埋めるのか。例年以上に難しい判断となりそうな12月相場の始まりと言えそうです。