【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25366.43  △617.70 (11/28)
NASDAQ: 7291.59  △208.89 (11/28)

1.概況

米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演会で政策金利が中立金利をわずかに下回る水準にあると発言したことで利上げの打ち止めが近いとの見方が強まり3日続伸となりました。84ドル高でスタートしその後200ドル高程度まで上げ幅を広げていたダウ平均はパウエルFRB議長の発言を受けて昼過ぎに急速に上げ幅を広げる展開となりました。560ドル高程度まで上げ幅を広げると一旦上値が伸び悩んだダウ平均ですが引けにかけて一段高になると結局617ドル高の25,366ドルとほぼ高値引けで取引を終えています。この結果ダウ平均は今年2番目の上げ幅となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も208ポイント高の7,291ポイントとなり3%近い上昇となりました。

2.経済指標等

7-9月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は速報値と変わらずの年率換算で前期比3.5%増となり市場予想と一致しました。10月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比8.9%減の54万4000戸となり市場予想も下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術と一般消費財・サービスが3%を超える上昇となったほか、ヘルスケアと資本財・サービス、通信サービスも2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を除く29銘柄が上げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)とボーイング(BA)が5%近く上げ、ボーイングは1銘柄でダウ平均を100ドル以上押し上げています。また、ビザ(V)も4%余りの上昇となったほか、アップル(AAPL)とマイクロソフト(MSFT)も4%近く上げています。ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とナイキ(NKE)、ホームデポ(HD)も3%以上上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、自社株買いを発表した医療保険のヒューマナ(HUM)が6%以上上げています。さらに決算で売上高や1株利益が市場予想を上回った顧客情報管理大手のセールスフォース・ドットコム(CRM)が急伸し10%余り上げています。一方でティファニー(TIF)が決算で売上高が市場予想を下回ったことで急落し12%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの3.05%となりました。パウエルFRB議長の発言を受けて3.04%まで低下する場面もみられました。ドル円は113円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばし節目の22,500円を試すような展開をみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)