【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25289.27  △208.77 (11/15)
NASDAQ: 7259.03  △122.64 (11/15)

1.概況

米国市場は米中貿易交渉の進展に期待する買いで反発しました。ダウ平均は小幅に下げて始まると290ドル安余りまで下げ幅を広げましたが、米国が新たな対中関税の発動を保留するとの報道を手掛かりに買いが優勢になると昼過ぎにプラスに転じ上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に274ドル高まで買われる場面もあったダウ平均は結局208ドル高の25,289ドルで取引を終え5日ぶりの反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も122ポイント高の7,259ポイントと反発しています。

2.経済指標等

10月の米小売売上高は前月比0.8%増となり市場予想を上回りました。11月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数も23.3となり市場予想を上回りました。また、 10月の米輸入物価指数は前月比0.5%上昇し市場予想を上回っています。米輸出物価指数は0.4%上昇しました。一方で11月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は12.9と前月から低下し市場予想も下回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比2000件増の21万6000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しています。9月の米企業在庫は前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、情報技術が2%を超える上昇となったほか、エネルギー、素材と金融、資本財・サービスも1%以上上げています。一方で不動産と公益事業、生活必需品が下げています。

4.個別銘柄動向

市場予想を上回る決算を発表したシスコシステムズ(CSCO)が5%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。そのほかダウ平均構成銘柄ではスリーエム(MMM)も3%を上回る上昇となったほか、米中貿易交渉の進展に期待する買いからキャタピラー(CAT)も3%以上上昇しました。さらに著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRK.B)が株式を新たに取得したことが明らかとなったことでJPモルガン・チェース(JPM)が2%を超える上昇となり、アップル(AAPL)やマイクロソフト(MSFT)、インテル(INTC)、トラベラーズ(TRV)も2%を上回る上昇となっています。一方で決算で売上高が市場予想に届かなかったウォルマート・ストアーズ(WMT)が2%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、売上高の見通しを下方修正したことで住宅大手のKBホーム(KBH)が急落し15%以上下げています。また、取引終了後に決算を発表した画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)は8-10月期の売上高が市場予想を下回ったうえ、11月-1月期の売上高が減収となる見通しを示したことから時間外で急落しています。同じく取引終了後に決算を発表した半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)も見通しが市場予想を下回ったことから時間外で大きく下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い3.11%となりました。ドル円は113円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。米国市場の時間外でエヌビディアやアプライドマテリアルズが大きく下げていることで今晩の米国市場の動向が警戒されるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)