【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25989.30  ▼201.92 (11/9)
NASDAQ: 7406.90  ▼123.98 (11/9)

1.概況

先週末の米国市場は下げ止まらない原油価格や中国の景気減速懸念などを嫌気して下落しました。ダウ平均は42ドル安でスタートするとその後も大きく下げ幅を広げる展開となりました。午後に310ドル安近くまで売られたダウ平均は引けにかけてやや持ち直したものの結局201ドル安の25,989ドルで取引を終え5日ぶりに反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も123ポイント安の7,406ポイントと続落となっています。

2.経済指標等

10月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。また、11月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は98.3と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。さらに9月の米卸売在庫も前月比0.4%増加し市場予想を上回りました。一方で米卸売上高は前月比0.2%増に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、情報技術と一般消費財・サービス、通信サービス、素材、資本財・サービスが1%以上下落したほか、金融も1%近く下げています。一方で生活必需品と不動産、公益事業が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではゴールドマン・サックス(GS)が4%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、キャタピラー(CAT)も3%以上下落しました。また、シスコシステムズ(CSCO)も3%近く下げたうえ、マイクロソフト(MFST)とアップル(AAPL)も2%近く下落しています。一方で市場予想を上回る決算を発表したウォルト・ディズニー(DIS)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。さらにプロクター・アンド・ギャンブル(PG)も1%を超える上昇となり、ファイザー(PFE)も1%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、ゼネラル・エレクトリック(GE)が目標株価の引き下げを受けて5%以上下げています。飲食店などの検索・評価サイトを運営するイェルプ(YELP)も決算で売上高が市場予想に届かなかったことなどで急落し26%以上下落しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.06%低い3.18%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)