【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26191.22 △10.92 (11/8)
NASDAQ: 7530.89 ▼39.87 (11/8)
1.概況
米国市場は前日に大きく上昇した後で利益確定の売りが出やすいなか方向感に欠ける展開となり高安まちまちとなりました。ダウ平均は40ドル安でスタートするとまもなくしてプラスに転じ昼過ぎに100ドル高近くまで買われましたが、その後上げ幅を縮めるとマイナスとなり100ドル安近くまで売られました。しかし、引けにかけて持ち直すとプラスとなり結局10ドル高の26,191ドルと4日続伸となっています。一方でS&P500株価が7ポイント安の2,806ポイントと4日ぶりに反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント安の7,530ポイントと3日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利は市場の予想通り据え置きとなりました。また、声明では労働市場は引き続き力強さを増し、経済活動は強いペースで成長しているとの表現が維持されました。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の21万4000件となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、エネルギーが2%を超える下落となったほか、通信サービスも1%近く下げています。一方で金融や不動産などの5業種が上げています。
4.個別銘柄動向
女性用衣料のエル・ブランズ(LB)が第3四半期の利益見通しを引き上げたことで6%余り上昇しました。また、市場予想を上回る決算を発表した旅行サイト大手のトリップアドバイザー(TRIP)が急伸し15%以上上げています。一方で決算が市場予想を下回ったことで住宅建設大手のDRホートン(DHI)が9%近く下げています。モバイル決済のスクエア(SQ)も2018年通期の見通しが市場予想に届かず9%安となっています。さらに半導体大手のクアルコム(QCOM)も決算が赤字で見通しも市場予想を下回ったことから8%を超える下落となったほか、半導体大手のエヌビディア(NVDA)も目標株価の引き下げを受けて3%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い3.24%となりました。ドル円は円安に振れ114円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場が高安まちまちとなり支援材料になりにくいなか本日の日本市場は大幅高の後で利益確定の売りが出やすいこともあって軟調なスタートが予想されます。こうしたなか円安を支えに日経平均が下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)