【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 24583.42 ▼608.01 (10/24)
NASDAQ: 7108.40 ▼329.14 (10/24)
1.概況
米国市場は冴えない決算を受けたテキサス・インスツルメンツ(TXN)の急落を受けてハイテク株中心に売りが出て大幅続落となりました。ダウ平均は朝方に115ドル高近くまで買われる場面もありましたが、まもなくして下落に転じると290ドル安近くまで下落しました。その後ダウ平均は一旦昼過ぎに20ドル安程度まで持ち直す場面もありましたが、再び下げ幅を広げると取引終盤に一段安となり引け間際には660ドル安近くまで売られました。結局ダウ平均は608ドル安の24,583ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も329ポイント安の7,108ポイントと続落となり4%を超える下落となっています。
2.経済指標等
9月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比5.5%減の55万3000戸となり市場予想も下回りました。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は経済活動が全米で拡大し、ほとんどの地区が緩慢ないし緩やかに拡大したとしています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、通信サービスが5%近く下落したほか、情報技術も4%を超える下げとなりました。また、エネルギーと資本財・サービス、一般消費財・サービス、ヘルスケア、素材も3%以上下げています。一方で公益事業と不動産、生活必需品の3業種が上げ、公益事業は2%を上回る上昇となりました。
4.個別銘柄動向
決算で売上高が市場予想を下回り、10-12月期の見通しも市場予想に届かなかった半導体大手のテキサス・インスツルメンツが8%を超える下落となりました。テキサス・インスツルメンツの急落が他の半導体株にも波及しエヌビディア(NVDA)が10%近く下げたほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が9%以上、マイクロン・テクノロジー(MU)も8%以上下げています。アドバンスト・マイクロ・デバイセズは取引終了後に決算を発表し売上高が市場予想を下回ったことから時間外でさらに大きく下げ幅を広げています。また、AT&T(T)も決算でネット動画配信の契約者数が急速に伸び悩んだことが明らかになったことで8%余り下落しました。物流大手のUPS(UPS)も決算で売上高が市場予想を下回ったことで5%を超える下落となっています。一方で決算が市場予想を上回る増収増益となったボーイング(BA)が堅調で1%を超える上昇となっています。通信機器のジュニパー・ネットワークス(JNPR)も1株利益が市場予想を大幅に上回ったことで4%近く上げました。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%低い3.10%となりました。ドル円は112円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下値模索の展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)