みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についての解説になります。

前回は「3月26日と7月5日のローソク足の実体と実体を結んだサポートラインを上回ることができるかなどや維持できるかが注目されるとしました。」また、「75日や5日移動平均線上を回復するようですと、10月に入って発生した窓を埋めることも期待される」としましたが結果はどうなったのでしょうか。

それではチャートで確認してみたいと思います。

【図表1】 日経平均株価 (日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

上記は10月23日の終値まで表示されたチャートですが、9月10日と11日、また9月13日と14日のあいだにあけた各窓を埋める結果となったあと、一旦5日や75日移動平均線上を回復する場面がありましたが、指摘した通り維持することができずに割り込むと、そのあとはご覧の通り一気に水準を切り下げる結果となっているのが分かります。

このように上昇が一旦帳消しになった状態で、V字型の天井のことをV字トップと呼んだり、一旦大きく上昇したもののその上昇が始まった水準まで反落して戻っていることから日本的には「行って来い」と呼んだりしていますが、いずれにしてもこれまでの上昇トレンドが一旦変わりつつあることを示していると考えられます。

では、これまでの上昇トレンドが変わってしまった場合、どのような状況が考えられるのでしょうか。そこで、今回も窓の考え方に沿って予測していきたいと思います。

最初に考える必要があるのは、10月23日の終値の水準より下に窓があるかどうかです。遡って確認してみると、とても残念なことに窓が2つ空いているのが見つかりました。1つは4月4日と5日のあいだにあけた窓で、もう1つは3月26日と28日のあいだにあけた窓になります。

仮にこの2つの窓を埋めるとした場合、10月23日の終値から1,000円以上下落することが考えられます。もちろんこの原稿を書いているところでは、そうした兆しは見られませんし、ファンダメンタル分析でも世界経済は好調さを維持しているとされていますが、窓の考え方からすればこうした下落も可能性としては起こり得ると考える必要があるのがテクニカル分析ということになります。

一方で、下向きの5日移動平均線上を回復するようですと一旦その可能性は後退することになると思われますので、今後はトレンド判断とあわせて窓を埋めるかどうかについて解説していきたいと思いますが、みなさんも引き続き自分でも考えるようにしてください。