みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についての解説になります。
配当などの権利付き最終売買日となる9月25日に大幅高となり、2月にあけた窓をすべて埋め、その後も上昇が続くと1991年11月以来、27年ぶりの高値をつけるなど日経平均株価は堅調に推移しました。
ところが10月2日高値をつけたあと株価が反落し始めると、その後は大きく値下がりする展開となりましたが、前回の解説から思い出してみましょう。
前回は、「仮に窓を埋める動きが発生するとなると、下方向の窓(9月18日と9月19日のあいだにあけた窓)を埋める可能性が出てくるかもしれません」としました。
また、「窓を埋めるというアノマリーから考えますと、一旦下落することも視野に入れておく必要がありそうです。では、どのような状況になると下方向の窓を埋める動きが始まるのでしょうか。実はこの窓を埋める動きの始まりが株価の先行きを考える上で重要な判断材料になります。
そこで思い浮かべなければならないのがトレンドの転換です。トレンド転換のサインにはいろいろありますが、最もシンプルなものが移動平均線を下回ることと移動平均線が下向きに変化することが同時に起こることになります」としました。
指摘した通り上向きの5日移動平均線を下回ると同時に5日移動平均線が下向きに変化しているのが分かります。
これが短期的なトレンド転換を示す動きなのです。そのため、下向きに変化した5日移動平均線が上値の抵抗になると、その後も下落が続く傾向があると意識しておく必要があるのです。
こうした考えをもとに先週時点で、こうなったら下落する可能性が高まるということが予測できたわけです。続いて連休明けの10月9日の値動きですが、窓をあけると同時に9月18日と9月19日のあいだの窓の水準まで下落しているのが分かります。
ここで突然ですが質問です。10月9日の下落時も同じように窓をあけているのですが、このような状況の時でも9月18日と9月19日のあいだの窓を埋めたと考えてよいのでしょうか。
この質問に対する考え方ですが、窓があいて株価が下落しているものの、よく見てみると、10月9日の値幅はちょうど9月18日と9月19日のあいだの窓を埋めようとした9月20日の安値から9月18日の高値までの値幅で推移しており、きれいに窓を埋めたと考えてよいのではないかと思われます。
一方で、10月5日と10月9日との間に窓があいてしまっていますので、このまま25日移動平均線上で下げ止まるようですと、窓を埋める動きが発生することが考えられそうです。
ただ、25日移動平均線を終値で割り込んでしまったり、25日移動平均線が下向きに変化したりするようですと、10月5日と10月9日の窓ではなく、まだ空いたままになっている9月13日と14日にあけた窓や9月10日と11日にあけた窓を埋めに行く可能性が出てきますので注意が必要です。
このように窓に注目して考えるだけで、株価の方向性が見えてくることになりますので、是非みなさんもフォローするようにしてください。