東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は423円安の2万2271円と大幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。

先週末の米国市場で主要指数は上昇しましたが、300ドル近く上げたダウ平均も一時はマイナスに転じるなどまだ不安定な値動きだったことに加え、週末にムニューシン米財務長官が日米の貿易交渉に為替条項を入れる考えを示したことが嫌気され日経平均は193円安と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げると10時過ぎに419円安まで下げ幅を広げました。
その後やや値を戻し前場を315円安で終えた日経平均は後場寄りから再び下げ幅を広げるとその後は安値圏での軟調な推移が続きました。再び下げ幅が400円を上回った日経平均は引け間際に432円安と1日の安値をつけ結局423円安と1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5945億円となりました。

東証33業種は鉱業と空運業を除く31業種が下げました。中でも情報・通信業が3%を超える下げとなったほか、ガラス土石製品、輸送用機器、食料品、銀行業などが大きく下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は総じて下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が7%以上下げたほか、ファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、三井住友(8316)、みずほ(8411)、東京エレクトロン(8035)、東海カーボン(5301)がいずれも下げています。
ソフトバンクグループはトルコのサウジアラビア総領事館でサウジアラビアの政権に対し批判的だったジャーナリストが殺害されたと報じられていることを受け、今後国際社会からの批判が集中する可能性のあるサウジアラビアとソフトバンク・ビジョン・ファンドに出資を受けるなど関係の深いソフトバンクグループに大きな売りが出ているとみられます。

その他材料が出たところでは第1四半期の決算が大幅な増収増益となったYouTuberのマネジメントなどを手がけるUUUM(3990)は7%近い大幅高となりました。また、同じく第1四半期の決算が大幅な増収増益で業績予想を上方修正した情報キュレーションアプリを手がけるGunosy(6047)はストップ高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場はムニューシン米財務長官の為替条項についての発言や安倍総理大臣が消費税10%を実施すると表明するとの報道、サウジアラビア問題などいくつかの悪材料が重なり、リスクオフが進んだことによる下げとみられます。本日の下げを受け日経平均の予想PERは12倍台まで低下したとみられ、ファンダメンタルズ面からみると割安な水準まで株価は下落しています。本日の下げを受け日経平均は200日移動平均線を明確に下回ってしまいましたが、上述したファンダメンタルズの割安さをサポートとして踏みとどまれるかどうか今週の注目ポイントと言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)