東京市場まとめ

1.概況


本日の日経平均は159円安の2万4110円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も下落しましたが新興市場のマザーズ指数はほぼ横ばいでした。ドル円がやや円高に振れたことが重荷となり日経平均は51円安の2万4219円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後にやや下げ幅を広げましたが、前引けにかけて持ち直し前場を13円安と小幅安で終えました。トランプ大統領に巨額の脱税疑惑があると報じられたこともネガティブに作用してか日経平均は後場に入ると下げ幅を広げてまもなく240円安と1日の安値を付けました。そこから引けにかけてやや下げ幅を縮めた日経平均ですが大きくは戻せず結局159円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6993億円となりました。東証33業種はパルプ・紙と医薬品を除く31業種が下げました。中でも輸送用機器、石油石炭製品、その他金融業、保険業などの下げが大きくなりました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。金融庁から一部の業務停止命令が出される見通しとなったと報じられたスルガ銀行(8358)は悪材料出尽くしと受け止められ、売買代金トップの商いを集めて11%超の大幅高となりました。また、昨日発表した9月の月次売上高が好調だったファーストリテイリング(9983)も1%高と堅調でした。一方で任天堂(7974)、ソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、東海カーボン(5301)、KDDI(9433)、三井住友(8316)がいずれも下げました。ソニー、トヨタ自動車、東海カーボン、KDDIは3%前後から3%台後半のきつい下げとなっています。その他材料が出たところでは、9月の月次売上高が好調だった小売の一角が買われました。ファッション小売のアダストリア(2685)が9.5%高となったほか、靴小売最大手のABCマート(2670)も1.3%高としっかりでした。中間期の業績が従来の会社の見込みよりも上振れたようだとの観測報道が出たコンビニ大手のローソン(2651)も3.5%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は反落しました。TOPIXは1%超の大きな下げとなり、東証1部の下落銘柄数は1,700超となりました。本日の下落を受け東証1部の騰落レシオが109%まで低下し、日経平均の25日移動平均線からの乖離率も3%台まで低下しています。このように徐々に過熱感を冷ましつつ、貿易戦争や米国の中間選挙の動向、日米の企業決算動向を見極めていく展開となりそうです。まずは2万4000円の節目を大きく割り込まずに足元の水準を維持できるかがポイントとなりそうです。

 

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)