このレポートのまとめ


1.    今週はレイバー・デーの3連休で4日しか立会日がない
2.    世界のマーケットでパフォーマンス格差は拡大している
3.    対外債務が大きい国の通貨はプレッシャーを受けやすい
4.    9月のFOMCでは利上げがあるだろう
5.    利上げ後、新興国通貨に売りプレッシャーが来る

 

レイバー・デー

9月3日(月)はレイバー・デー(勤労感謝の日)でアメリカは3連休となります。
日本では学校の新学期は桜の咲く4月からです。でもアメリカでは9月が新学期となります。その関係でアメリカ人は9月になると心機一転(がんばるぞ!)とヤル気を出します。
夏の間枯れていた新規株式公開(IPO)の案件なども9月に一斉に動き出します。だから9月は相場の需給関係が崩れやすいと言われています。
また相場の物色の流れもレイバー・デー明けからガラッと変わることがあります。従って今週は相場をよく観察してください。

広がるパフォーマンス格差


アメリカの株式市場は先週S&P500指数が最高値を更新するなど極めて順調です。
 

 

 

 

しかし世界に目を転じると米中貿易戦争で投資家のセンチメントがすっかり冷え込んでしまった中国株の動きの悪さが目立ちますし、トルコやアルゼンチンでは通貨危機が再燃しています。 やはり対外債務が大きい国は投資家から疑いの目をかけられやすいです。

 

つまり世界全体として、ぎくしゃくした動きになりはじめているのです。
もちろん、アメリカの株式市場は世界全体の約半分を占める巨大なマーケットですので、それが世界のマーケットに引きずられるリスクは少ないです。
しかしあまりにも新興国の経済がおかしくなると、いかにアメリカとはいえその影響を感じ始めると思います。
したがって新興国発のリスクに関しても注意して下さい。

今月は利上げがある

9月26日は連邦公開市場委員会(FOMC)が閉会しパウエル議長の記者会見がある日です。市場参加者はこの日、0.25%の利上げがあると予想しています。
 

 

トランプ大統領は連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに対し不満を表明していますが、FRBはそれには耳を貸さず、粛々と利上げを行うものと思われます。
利上げはドルの相対的な魅力を増す効果をもたらし、それはドル高を招く可能性があります。

 
 

アメリカ国内の投資家は海外にお金を置いておくと為替でやられるリスクが高まるため、お金をアメリカに戻すと考えられます。これは新興国からお金が抜けてゆくリスクが高いことを示唆しています。 したがってFOMCでの利上げに絡めて、再び新興国通貨が不安視されるシナリオを想定しておくべきです。