このレポートのまとめ

  1. 9月25・26日にFOMCが開催される
  2. 今回は0.25%の利上げが予想される
  3. 12月にもう一回、0.25%の利上げが予想されている
  4. 経済予想サマリーも発表される
  5. 大統領からのプレッシャーにパウエル議長がどう応える?

 連邦公開市場委員会

9月25・26日の2日間に渡り連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。
市場は94.4%の確率で米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)が0.25%引き上げられ、2.25%になることを織り込んでいます。

なお、今回が今年最後の利上げではなく、もう一度12月19日に0.25%の利上げがあり、FFレートは2.5%になると市場関係者は見ています。

 

つまり2018年中は合計4回の利上げがあると見られているのです。

経済予想サマリー

今回のFOMCではFOMC参加メンバーによる経済予想サマリー(略してSEP)が発表されます。これは俗称「ドットプロット」と呼ばれることもあります。

前回の経済予想サマリーでは2018年のコンセンサスFFレート予想として2.4%が示されました。

 

つまり冒頭で述べた市場参加者の今年末のFFレート予想である2.5%とほぼ一致しているわけです。

GDP予想に関しては2.8%のコンセンサスが示されました。

 

今回、この予想数字が動くかどうかに注目したいと思います。

失業率に関しては、FOMCメンバーは今年末3.6%を予想していますが、もうかなり完全雇用に近いので、これ以上、数字は下がりにくいと思います。

 

もうひとつの注目点としてはPCEコア・インフレがあります。PCEとは個人消費を指します。「コア」とはガソリン代のような変動の激しい品目を除いた数字を指します。

 

2018年末のコンセンサス予想は2%です。

なおPCEコア・インフレ予想は連邦準備制度理事会(FRB)がとりわけ好んで利用するインフレ指標です。

FRBは長期でのインフレ率を大体2%前後にすることをターゲットとしています。その意味ではほぼターゲットに一致していると言えます。

トランプ大統領からのプレッシャー

FRBは米大統領ではなく米議会に対して報告責任を負っています。もっと平たい言い方をすればFRBの「上司」は米議会だということです。

これは行政府、すなわち大統領がFRBの采配にいろいろ口出しすることを避け、中央銀行の中立性を守るための工夫です。

しかし直接FRBに対して指図する権限が無いにもかかわらず歴代の大統領の中にはFRBに「金利を低く抑えろ」と注文をつける大統領が散見されました。トランプ大統領もそのひとりです。

このような政治の介入は中央銀行への信認を脅かすことになりかねないので、好ましからざる行為です。

今回のFOMC後に予定されている記者会見でジェイ・パウエルFRB議長がどれだけ独立性を貫く姿勢をアピールするかに注目したいと思います。