東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は125円高の2万4245円と続伸して1月23日につけた2万4124円の年初来高値を更新し1991年11月以来約27年ぶりの高値をつけました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが新興市場のマザーズ市場は小幅に下げています。ドル円が113円台後半まで円安に振れたことが支援材料となり、日経平均は53円高の2万4173円と小幅に続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付き直後に3円高と横ばい近辺まで上げ幅を縮めましたがマイナスには転じずに踏みとどまると切り返し、その後は上げ幅を広げる展開となりました。前引け間際に186円高と1日の高値をつけた日経平均は前場を143円高とその時点の高値圏で終えました。高値警戒感も出たのか日経平均は後場に入ってやや上げ幅を縮める場面も見られましたが盛り返すとその後も堅調に推移し、結局125円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は先週と比べてやや減少し2兆4411億円となりました。東証33業種は鉱業や卸売業、繊維製品など16業種が上昇しました。一方で陸運業や空運業、非鉄金属など17業種が下げています。なお、寄り付き前に発表された日銀短観では「大企業製造業・先行き」が19と前回調査の21から悪化し市場予想も下回りましたが、マーケットへの影響は限定的でした。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が1.4%高となったほか、ファーストリテイリング(9983)、伊藤忠(8001)、東海カーボン(5301)、東京エレクトロン(8035)が上昇しました。中でも伊藤忠は13時に業績予想の上方修正、増配、自己株の消却を発表したことが好感されて7%近い大幅高となっています。一方でソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)、武田薬品(4502)が下げています。その他材料が出たところでは、第1四半期の決算が大幅な減収減益だった婦人服製造小売のハニーズ(2792)が7%超の大幅安となりました。また、基礎建設会社のアジアパイルホールディングス(5288)も公募増資を発表したことが嫌気されて12%超の大幅安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均が続伸して年初来高値更新と10月は幸先の良いスタートとなりました。今週は月初の週とあって、ISM景況指数や雇用統計など米国の重要経済指標が発表されます。また、2月や8月決算企業の決算発表も徐々に増加してきます。騰落レシオが約130%、日経平均の25日移動平均線乖離率は5%近くとそれぞれ一般的に過熱感を示す水準まで上昇しています。過熱感を冷ましながら2万4000円どころの値固めをできるかが今週の注目ポイントと言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)