1.概況
本日の日経平均は237円安の2万3796円と9日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が下落したこと、ドル円がやや円高に振れたことを受け日経平均は87円安の2万3946円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に徐々に下げ幅を縮めると10時過ぎにプラスに転じて一時は55円高をつける場面がありました。その後再びマイナスに転じて32円安で前場を終えた日経平均は後場に入ると急速に下げ幅を広げました。200円以上下げた後に一時はやや持ち直す場面もあった日経平均ですが、大引けにかけて再び下げ幅を広げて結局237円安と1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆8110億円となりました。東証33業種は空運業を除く32業種が下落しました。中でも石油石炭製品や非鉄金属、電気機器、建設業などの下げが大きくなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップの任天堂(7974)が1.4%安となったほか、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)、東京エレクトロン(8035)、ファナック(6954)がいずれも下げています。一方でファーストリテイリング(9983)と武田薬品(4502)は上昇しました。日米両政府が2国間の貿易協定の交渉開始で合意し、協議中は米国が輸入自動車に追加関税を課さないこととなったことを受け、SUBARU(7270)やマツダ(7261)など自動車メーカーの一角が堅調でした。その他材料が出たところでは、中間決算を発表したニトリホールディングス(9843)が5%超の大幅安となりました。営業利益の実績は市場予想を上回りましたが、会社が今期の中国の出店計画を下方修正したことや外資系証券が目標株価を引き下げたことが嫌気されたようです。また、中間決算が営業減益になったようだとの観測報道が出た「日高屋」を運営するハイデイ日高(7611)も5%超の大幅安となりました。一方で今期の業績予想を上方修正した近鉄百貨店(8244)は1.7%高としっかりでした。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は9日ぶりに反落しました。昨日の当欄でも記したように上昇スピードがかなり急で、過熱感を示す指標が散見される状況だっただけに本日のような調整はやむを得ないと考えます。このまま大きく下落せずに2万3000円台後半を維持できるかが目先の注目ポイントと言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)