※表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。

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PORTFOLIO OVERVIEW(15 Aug 2017)
今週もまたFX-1ポートフォリオは、ドルのネット・ロングを継続。しかし、これは言わばテクニカル的なものだ。ドルは1月につけたピークから大幅に下げてきたため、ドルのショートが積み上がり過ぎている。経済のファンダメンタルズの観点からは、米国が他の国に比べて例外的によいわけではない(但し、インフレについては若干ましだが)ので、そういう意味で積極的にドルをロングしているわけではない。

ロング通貨は引き続き欧州通貨(ユーロとスカンジナビア)、そして円である。ユーロ圏では強い経済指標の発表が続き、ユーロの驚異的な上昇につながっているが、それはまたスカンジナビア(とくにスウェーデン)の上昇をも引き起こしている。日本の状況はG10のなかで若干改善してきた。われわれのモデルによれば、円はまだいくぶん「割安」であると思われる。

ショート・サイドでは豪ドルが再びショートに転じた。ここ数週間で発表されたデータは良好さを保てなかったからだ。スイスフランは依然として最大のショート通貨であるが、過去2~3週間のなかではショート幅は減少した。カナダドルとNZドルはほぼ同じサイズのショートとなっている。NZの成長見通しは改善してきたものの、ロングに転換するにはまだ割高過ぎると思われる。

インフレはFX-1のモデルに直接インプットされるファクターではないが、近年、通貨に重要なインパクトを与えるものとなっている。世界的に金利が非常に低いなか、米国のインフレが高まれば、利回りに飢えた投資家がドルを買うという傾向が見られる。ここ数週間、他の国との相対比較では米国のインフレ圧力は高まっているように思われ、ドルの反転につながるのではないかと考えている。

DeepMacro

DeepMacro社は、ビッグデータ技術を利用して、自動的かつリアルタイムにグローバルなマクロ経済を観察・分析し、これを基にマーケットの分析を行う米国のリサーチ会社です。詳しくは、こちらをご覧ください。

DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明

概要

DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルは、DeepMacro 社のグローバル・マクロ・システムに基づき、G10通貨についてシステマティックなポートフォリオ戦略を提供するものです。通貨の変動を説明する様々な要因を捉え、DeepMacro 社のリサーチ・システムの膨大なデータを、流動性が高く割安なポートフォリオに変換します。

キーファクター:

成長要因:

強い景気サイクルにある通貨を買い、弱い景気サイクルにある通貨を売ります。この判断は別のモデル体系であるDeepMacro 社の「Growth Factor」に基づきます。「Growth Factor」は主要国のビッグデータを含む経済成長に関するリアルタイム・インディケーターです。

キャリー:

高いキャリーの通貨を買い、低いキャリーの通貨を売ります。しかし、高キャリーは高リスクでもあります。したがって、リスクに見合うだけのキャリーが得られる場合のみ、このファクターによる投資判断を行います。

バリュエーション:

割安な通貨を買い、割高な通貨を売ります。経済理論では、高い生産性の伸び、高い輸出価格、大きな経常黒字の通貨は高くなることが示されています。このモデルのバリュエーション・ファクターはこれらの要因にもとづき割高・割安の判断をおこないます。

グローバル・リスク:

投資家のリスク回避姿勢が強まった時には、いわゆる「セイフ・ヘイブン(安全な寄港地)」通貨を買います。DeepMacro社では金融市場の価格に基づいて市場のリスク選好度を見積もっており、「グローバル・リスク・インディケーター(GRI)」を算出しています。GRIが点灯した場合、モデルは日本円、スイスフラン、米ドルなどへの買いを指示します。

ポジション調整:

モデルは対米ドルで9通貨のポジションを表示します。モデルは各通貨への集中度制限などリスク管理のルールを適用し、最適化を行った結果としてポートフォリオを構築します。

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チーフ・ストラテジスト広木 隆の<今週の相場展望>とコラム「新潮流」とチーフ・アナリスト大槻 奈那が金融市場でのさまざまな出来事を女性目線で発信する「アナリスト夜話」などを毎週原則月曜日に配信します。メールマガジンのご登録はこちらから