NYダウ: 23836.71  △255.93 (11/28)
NASDAQ: 6912.36  △33.84 (11/28)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は米連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名されたパウエル理事が上院公聴会で金融政策の正常化を緩やかに進める方針を示したことや、米上院予算委員会が税制改革法案を賛成多数で可決したことを受けて上昇し、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。44ドル高でスタートしたダウ平均は上げ幅を広げ昼過ぎに190ドル高程度まで買われると、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて上げ幅を130ドル近く縮める場面もありましたが、上院予算委員会で税制改革法案が可決されたことを受けて再び上げ幅を広げ取引終盤には270ドル高近くまで上昇しました。結局ダウ平均は255ドル高の23,836ドルと3日続伸となり、21日に付けた史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数が25ポイント高の2,627ポイントと反発し24日に付けた史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も33ポイント高の6,912ポイントと反発しこちらも24日に付けた史上最高値を更新しています。

2.経済指標等
9月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比6.2%上昇し市場予想も上回りました。また、11月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は129.5と2000年11月以来の高水準となり市場予想も上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産を除く10業種が上げました。そのなかでも金融と電気通信サービスが2%を超える上昇となったほか、資本財・サービスと素材、一般消費財・サービスも1%を上回る上昇となっています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上昇しました。そのなかでも銀行規制の緩和が進むとの期待からJPモルガン・チェース(JPM)が3%を超える上昇となったほか、ゴールドマン・サックス(GS)も2%近く上げています。また、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とシスコシステムズ(CSCO)も2%を上回る上昇となり、トラベラーズ(TRV)やアメリカン・エキスプレス(AXP)も2%近く上げています。一方でアップル(AAPL)とコカコーラ(KO)、ナイキ(NKE)の3銘柄が下げています。ナイキは投資判断の引き下げが嫌気されました。ダウ平均構成銘柄以外では、外食のバッファロー・ワイルド・ウイングス(BWLD)が大幅高となりました。投資会社傘下の外食のアービーズ・レストラン・グループがバッファロー・ワイルド・ウイングスを買収すると発表したことで買収価格にさや寄せする格好で6%以上上昇しています。年末商戦が好調な滑り出しだったと伝わり百貨店のメーシーズ(M)も4%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.32%となりました。ドル円は111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて地政学リスクが意識されやすいなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)