1.概況
本日の日経平均は300円安の2万2380円と大きく下落して4日続落となりました。先週末の米国市場で主要指数が高安まちまちであるなど、やや買い材料に乏しいなか日経平均は73円安の2万2607円と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付きがほぼ1日の高値になるとその後下げ幅を拡大し1日を通して軟調な展開となりました。前場を154円安で終えた日経平均は、後場に入っても前引け水準での推移が続きましたが14時半過ぎから下げ幅を急速に拡大して300円安と安値引けとなりました。下げ幅が300円以上となったのは今年の3月22日以来約8ヶ月ぶりでした。東証1部の売買代金は2兆7962億円と10月26日以来約2週間ぶりに3兆円を割り込みました。東証33業種は石油石炭製品とその他製品の2業種のみ上昇し、残る31業種は下落しました。中でも倉庫運輸関連と海運業がともに3%超下落したほか、不動産業、繊維製品、証券商品先物、鉄鋼の4業種が2%台の下げとなりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)こそ2%近く上げ、トヨタ自動車(7203)も小幅に上昇したものの、ソフトバンクグループ(9984)、SUMCO(3436)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)、ファーストリテイリング(9983)、東京エレクトロン(8035)などがいずれも下落しました。材料が出たところでは、日清食品ホールディングス(2897)が7%超の大幅高で年初来高値を更新しました。先週末に行った決算発表で7-9月期3ヶ月の営業利益が前年同期比67%の大幅増となるなど好調な業績が好感されました。また、同じく先週末に決算発表を行ったレストランなどを展開する物語コーポレーション(3097)はストップ高となりました。7-9月期の売上高が前年同期比19%増、営業利益が約96%増と好調な業績が好感されました。一方で7-9月期の業績が前年同期比で減収営業減益となった高級レストランのひらまつ(2764)は8%超の大幅安となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は大幅安で安値引けと引け味の悪い展開となりました。先週までの上げが非常に大きかったとあって一定の利益確定売りに押されるのはやむを得ないと言えそうです。今週は明日で日本企業の決算発表がほぼ一巡するほか、15日に発表される日本のGDP速報値、米消費者物価指数(CPI)、米小売売上高などが注目材料となりそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)