1.概況
本日の日経平均は9円高の2万1457円と小幅に上昇し1960年から61年にかけて記録した14連騰の歴代最長記録に並びました。TOPIXやJPX日経400も小幅に上昇しましたが、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数はそれぞれ下げています。昨日の米国市場でダウ平均が史上最高値を更新した一方で、ドル円がやや円高に振れたことを受け日経平均は57円安と反落して寄り付きました。しばらくはマイナス圏での推移が続いた日経平均ですが、10時半頃から徐々に下げ幅を縮めるとまもなくプラスに転じ、一時は40円高まで上げ幅を広げました。前場を3円高で終えた日経平均は後場に入ると昨日の終値を挟んだもみ合いが引け間際まで続き、大引けにかけてわずかにプラス圏に浮上して14連騰の記録達成となりました。東証1部の売買代金は2兆4705億円となりました。東証33業種は水産・農林業やゴム製品、保険業など17業種が上昇しました。一方で海運業や銀行業など16業種が下げています。東証1部の値上がり銘柄数890に対し、値下がり銘柄数は1,048と値下がりの方が多く東証1部の騰落レシオは前日から低下し約116%となっています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップは神戸製鋼所(5406)となり1.6%安と反落しました。日産自動車(7201)は国内全6工場の国内向け出荷を停止すると発表し1.6%安となっています。三菱UFJ(8306)も下落しましたが、その他の銘柄は概ね上昇しました。任天堂(7974)、enish(3667)、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、SUMCO(3436)、東京エレクトロン(8035)などがそれぞれ上昇しました。中でもソーシャルアプリやゲームなどを手がけるenishは19%近い大幅高となりました。配信を開始したスマートフォン向けゲームへの期待から短期資金が流れ込んだとみられます。その他材料が出たところでは、外資系証券が投資判断を引き上げたヤクルト本社(2267)は4%近く上昇して上場来高値を更新しました。一方で外資系証券が投資判断を引き下げた日本航空(9201)とANAホールディングス(9202)はそれぞれ小幅に下げています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均はついに14連騰を達成しました。各種報道で今週末に行われる衆議院総選挙では与党の優勢が伝わっており、その通りの結果となれば材料出尽くしの売りが出ることも予想されますがそういった売りをこなしての15連騰の新記録達成を期待したいところです。また、来週から日本企業の決算発表が徐々に本格化します。日本企業の業績は概ね好調に推移しているとみられますが、上方修正がどの程度発表されるか注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)