NYダウ: 22830.68  △69.61 (10/10)
NASDAQ: 6587.25  △7.52 (10/10)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は反発し、ダウ平均がウォルマート・ストアーズ(WMT)の大幅高もあって3日ぶりに史上最高値を更新しました。上昇して始まったダウ平均は90ドル高近くまで買われた後10ドル高程度まで上げ幅を縮めましたが、午後に入って徐々に持ち直すと引けにかけて上げ幅を広げ69ドル高の22,830ドルと3日ぶりに反発し、5日に付けた史上最高値を更新して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も7ポイント高の6,587ポイントと反発しています。

2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や公益事業、金融、電気通信サービスなどの9業種が上げ、生活必需品と公益事業は1%近く上昇しました。一方で一般消費財・サービスが下げ、素材は変わらずでした。

4.個別銘柄動向
ウォルマート・ストアーズが4%以上上昇し、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり1銘柄でダウ平均を25ドル近く押し上げました。2年間で総額200億ドルの自社株買いを実施すると発表したほか、2019年1月期の米国でのインターネット通販が今期予想比で4割伸びるとの見通しを示したことが好感されました。また、2017年7-9月期の業績が予想ほど落ち込まないとの見通しを示した空運大手のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)も4%を超える上昇となっています。さらに完全自動運転車向けに車載カメラやレーダーからのデータを1秒間に320兆回の速度で処理できるAIを開発したと発表した画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)が2%近く上げ上場来高値を付けています。一方で投資判断の引き下げを嫌気してセキュリティーソフト大手のシマンテック(SYMC)や天然ガスのチェサピーク・エナジー(CHK)が大幅安となっています。

5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.36%となりました。ドル円はやや円高に振れ112円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が上昇する一方でドル円が円高となるなど、強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場も小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が2015年6月に付けたアベノミクス相場での高値(20,868円)を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)