1.概況
本日の日経平均は132円高の2万823円と6日続伸となり、連日で年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。先週末および昨日の米国市場が小動きだったことから、日経平均も10円安と小動きで寄り付きました。本日の日経平均は寄り付きの水準が1日の安値になるとその後は1日を通して堅調な展開でした。寄り付き直後こそ先週末の終値近辺でもみ合った日経平均ですが9時半頃から買いが優勢になるとその後は上げ幅を広げて前場を79円高で終えました。日経平均は後場に入るとしばらく前引け水準でもみ合いましたが、13時半過ぎから一段高になると日経平均は上げ幅を130円超まで広げました。結局日経平均は132円高とほぼ1日の高値で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5442億円となりました。東証33業種は建設業やサービス業、小売業など内需関連業種を中心に24業種が上昇しました。一方で保険業や鉄鋼など9業種が下げています。
2.個別銘柄等
日経平均は132円上昇しましたが、東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が0.6%安となったほか、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、NTT(9432)、東京海上ホールディングス(8766)がいずれも下げています。一方でソフトバンクグループ(9984)、キーエンス(6861)、リクルートホールディングス(6098)がいずれも3%超上昇したほか、トヨタ自動車(7203)も1.6%高としっかりでした。材料が出たところでは、自動車や航空機などに使われるアルミ・銅事業部門の製品の一部について検査証明書のデータ書き換えなどの不正を行っていたと発表した神戸製鋼所(5406)には売りが殺到し、ストップ安となりました。先週末の大引け後に決算発表を行った銘柄の値動きが目立ちました。第1四半期の売上高が前年同期比5%近く増加し、営業利益が前年同期比5倍近くにまで増えた人材派遣大手のパソナグループ(2168)は17%近い大幅高となっています。また、中間決算を発表した吉野家ホールディングス(9861)は2.5%高としっかりでした。営業利益が前年同期比2倍以上となる21億円と好業績だったことが好感されました。同じく中間期の営業利益が前年同期比2倍以上に増加し、自社株買いも発表したアパレル大手のオンワードホールディングス(8016)は8%近い大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は6日続伸で本日も年初来高値を更新しました。本日は朝鮮労働党の創建記念日とあって軍事的挑発が警戒されていましたが、ひとまず何も行われなかったことが安心感を誘った面があるとみられます。日経平均はアベノミクス相場の高値である2万868円まで50円足らずまで迫っています。今週この高値を上回れるかどうかがポイントとなりそうです。明日以降も引き続き北朝鮮問題の動向が注目されるほか、本日公示された衆院の解散総選挙の動向にも大きな注目が集まりそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)