1.概況
本日の日経平均は12円高の2万626円と小幅に続伸して年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も上昇しましたが新興市場のマザーズ指数は下落しました。昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことを受け、日経平均は46円高の2万660円と続伸して寄り付きました。寄り付き後の日経平均はやや上値が重く推移すると、小幅なプラス圏での推移が続き前場を45円高で終えました。日経平均は後場に入ると一時マイナスに転じその後は昨日の終値を挟んだ展開が続きました。引け直前まで小幅なマイナスだった日経平均ですが、わずかにプラスに転じて大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆3941億円となりました。東証33業種は水産・農林業やその他金融業など19業種が上昇した一方で、石油石炭製品や鉱業など14業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が小幅に上げたほか、有機ELの開発にメドをつけたと報じられたジャパンディスプレイ(6740)は24%近い大幅高で東証1部の値上がり率トップとなりました。ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)、NTT(9432)もそれぞれ上昇しました。一方で日産自動車(7201)、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、三菱UFJ(8306)などは下げています。その他材料が出たところでは、服飾のアダストリア(2685)が3.6%の大幅高となりました。9月の月次売上高が前年同月比2%増と4ヶ月ぶりにプラスとなったことが好感されました。また、昨日の大引け後に第1四半期の決算発表を行ったカネコ種苗(1376)も3.4%高と堅調でした。前年同期比14%の営業増益と堅調な業績が評価されて買われました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は連日で年初来高値更新となりましたが、実質的には横ばい程度と言えます。今夜の米国市場ではADP雇用統計やISM非製造業指数といった重要経済指標が発表されるほか、イエレンFRB議長の発言が予定されています。年内に米国で追加利上げが行われるかマーケットでは注目が集まっており、経済指標の結果や発言の内容が注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)