NYダウ: 21006.94 △55.47 (5/5)
NASDAQ: 6100.76 △25.42 (5/5)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
2日の米国市場は良好な決算が相次いだことで小幅に上昇しました。ダウ平均が36ドル高の20,949ドル、S&P500株価指数が2ポイント高の2,391ポイント、ナスダック総合株価指数が3ポイント高の6,095ポイントとなり、ナスダック総合株価指数は連日で史上最高値を更新しました。3日と4日の米国市場は連日で小幅に高安まちまちとなりました。3日はダウ平均が8ドル高と続伸したものの、S&P500株価指数が3ポイント安、ナスダック総合株価指数が22ポイント安と反落しています。4日はダウ平均が6ドル安と反落となる一方で、S&P500株価指数が1ポイント高、ナスダック総合株価指数が2ポイント高と反発しています。そして先週末の米国市場は良好な雇用統計を好感して上昇し、ダウ平均が節目の21,000ドルを回復したほか、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しています。寄り付きから軟調な展開が続いたダウ平均ですが、午後に入り買いが優勢になると55ドル高の21,006ドルと節目の21,000ドルをおよそ2カ月ぶりに回復し、3月1日の史上最高値(21,115ドル)に次ぐ水準で取引を終えています。また、S&P500株価指数が9ポイント高の2,399ポイントとなり3月1日に付けた史上最高値を更新したうえ、ナスダック総合株価指数も25ポイント高の6,100ポイントとなり2日に付けた史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
2日に発表となった3月の米新車販売台数は年率換算で1688万台となり市場予想を下回りました。3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を市場の予想通り据え置きましたが、声明文で1‐3月期の景気減速は一時的であるとしたうえ、先行きの金融政策について緩やかに調整すると従来の表現を踏襲し、従来の利上げシナリオを維持しました。4月のISM非製造業景況感指数は57.5と前月から上昇し市場予想も上回りました。4日発表の3月の米貿易収支の赤字額は前月比0.1%減の437億600万ドルとなり市場予想を下回っています。しかし、対日貿易赤字は64億9200万ドルとなり前月から33%増と大きく増えています。5日に発表された4月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比21万1千人増となり市場予想を上回りました。失業率も前月比0.1ポイント低下の4.4%となり悪化を見込んでいた市場予想を下回って改善し、2007年5月以来の低水準となりました。しかし、平均時給は前年同月比2.5%増に止まり、伸び率は前月から鈍化しています。
3.業種別動向
先週末の米国市場で業種別S&P500種株価指数は全11業種のうち金融とヘルスケアの2業種を除く9業種が上げました。そのなかでもエネルギーと電気通信サービス、素材の3業種が1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
先週末の米国市場では、アップルが1.7%近く上昇し上場来高値を更新しました。このほかダウ平均構成銘柄ではデュポン(DD)が3%近く上げたほか、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も1.7%余り上昇しました。ダウ平均構成銘柄以外では、売上高と1株利益が市場予想を上回った外食のシェイクシャック(SHAK)が急伸し、1株利益が市場予想を上回ったメディアのCBS(CBS)や、通期の1株利益の見通しを引き上げた保険のシグナ(CI)も買われています。一方でIBM(IBM)が2.5%余り下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。大株主の著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(BRKa)が保有株の3分の1を売却したと伝わったことで売りがかさみました
5.為替・金利等
先週末の長期金利は変わらずの2.35%となりました。ドル円はFOMCの声明文や良好な雇用統計、さらにフランス大統領選の決選投票で中道・独立系のマクロン前経財相が勝利する見通しとなったことなどを受けて円安が進み112円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
日本市場が休場中に米国市場でダウ平均が4日間で90ドル以上上昇し、先週末に節目の21,000ドルを回復したほか、ナスダック総合株価指数とS&P500株価指数も史上最高値を更新したことや、ドル円も112円台後半と連休前に比べさらに円安となっていることなどから、本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は3月13日に付けた年初来高値(19,633円)を更新しそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)