NYダウ: 20656.10  ▼6.85 (4/7)
NASDAQ: 5877.81  ▼1.14 (4/7)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は低水準となった失業率を好感した買いが入る一方で、米軍によるシリア攻撃による地政学リスクも意識され方向感に欠ける展開となるなか小幅反落となりました。午前中は前日終値を挟んで小幅に揉み合ったダウ平均は、午後に入り買いが優勢となり60ドル高余りまで買われましたが、取引終盤に上げ幅を縮めると引けにかけて小幅なマイナスに転じました。結局ダウ平均は6ドル安の20,656ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も1ポイント安の5,877ポイントとなっています。

2.経済指標等
3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比9万8千人増に止まり市場予想を大きく下回りました。しかし、失業率は4.5%と前月から0.2ポイント低下し2007年5月以来9年10カ月ぶりの低水準となりました。平均時給は前年同月比2.7%増で市場予想と一致しています。2月の米卸売在庫も前月比0.4%増となり市場予想と一致しています。2月の米卸売売上高は前月比0.6%増で市場予想を上回りました。2月の米消費者信用残高も前月比152億644万ドル増の3兆7918億1145万ドルとなり市場予想を上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やエネルギー、一般消費財・サービスなどの6業種が下げました。一方で生活必需品、電気通信サービス、ヘルスケアなどの5業種が上げています。

4.個別銘柄動向
投資判断の引き上げを受けてウォルマート・ストアーズ(WMT)が2%高となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。米軍によるシリア攻撃を受けてボーイング(BA)も1%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率2位となっています。また、ロッキード・マーチン(LMT)やレイセオン(RTN)といった防衛関連も堅調でした。さらに目標株価の引き上げを受けて製薬のインサイト(INCY)が大きく上げたほか、透析医療サービスを手がける独フレゼニウスが買収案を検討しているとの報道を受けて製薬のエイコーン(AKRX)も急伸しました。一方、決算で売上高などが市場予想を下回った会員制ディスカウントストアのプライススマート(PSMT)が大きく下落しています。

5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い2.38%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円安を受けて続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円をにらみながらとなりそうですが、日経平均が5日移動平均線(先週末時点で18,783円)を上回って上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)