1.概況
本日の日経平均は67円高の1万8664円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は概ね上昇しました。昨日の米国株式市場で主要指数が反発し、ドル円も円安に振れたことを受け日経平均は117円高の1万8714円と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も堅調に推移し一時は上げ幅を180円超まで広げる場面がありました。ところが10時過ぎに米国がシリアに向けミサイルを発射したと報じられるとリスク回避の動きが広がり、それまで111円近辺で推移していたドル円が110円台前半まで円高に振れました。円高進行を受け日経平均は急速に上げ幅を縮めるとまもなくマイナスに転じ一時は80円安近くまで下げ幅を広げました。前場を19円安とマイナス圏で取引を終えた日経平均ですが、マーケットはやや落ち着きを取り戻した格好となり後場寄りから再びプラスに転じました。上げ幅を広げた日経平均は一時170円高をつけるなど後場は一貫してプラス圏で推移しました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの67円高で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆7654億円と2兆円台後半となりました。東証33業種は地政学的リスクが高まり原油先物価格が上昇したことを受け大きく上げた鉱業と石油石炭製品を始めとし、31業種が上昇しました。一方で空運業とその他製品の2業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が2.3%安となったほか、三井住友(8316)、ファーストリテイリング(9983)、ファナック(6954)などが下げています。一方でソフトバンクグループ(9984)、東芝(6502)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)などが上昇しました。地政学的リスクの高まりを受け防衛関連の一角が買われました。自衛隊向け照明弾などを手がける細谷火工(4274)がストップ高となったほか、IHI(7013)も5%近く上昇しそれぞれ年初来高値を更新しました。その他材料が出たところでは、米国のスノコLP(SUN)からガソリンスタンド併設型のコンビニエンスストアの約1,100店舗を取得すると発表したセブン&アイ・ホールディングス(3382)が4.3%の大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
米国のシリア攻撃のニュースで一時はマイナスに転じた日経平均ですが、後場にかけて落ち着きを取り戻し反発して取引を終えました。シリア問題に加えて北朝鮮の動向といった地政学的リスクが来週以降もマーケットの大きな注目を集めそうです。また、米中首脳会談の結果も注目されます。日本時間今夜21時半には米雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数に加えて将来の物価上昇圧力となる平均時給の上昇率にも注目が集まります。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)