1.概況
本日の日経平均は51円高の1万8861円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は概ね上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇し、ドル円もやや円安に振れたことを受け日経平均は90円高の1万8900円と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を130円超まで広げましたが、その水準が1日の高値となるとその後は徐々に上げ幅を縮めました。前場を51円高で終えた日経平均は後場寄りから上げ幅を急速に縮めるとまもなくマイナスに転じ、その後しばらくはマイナス圏で推移しました。日経平均は13時半過ぎから再びプラスに転じるとその後は堅調に推移しました。引けにかけてやや上げ幅を広げ、日経平均は51円高と結局前引けと同水準で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2324億円と活況の目安とされる2兆円を上回りました。東証33業種は精密機器や情報・通信業などの17業種が上昇しました。一方で石油石炭製品や鉱業など16業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上げ下げまちまちとなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が小幅に上げたほか、ソフトバンクグループ(9984)が2.7%高と堅調で、東芝(6502)も4%近く上昇しました。その他にファナック(6954)やNTT(9432)も上げています。一方で三菱UFJ(8306)やみずほ(8411)、三井住友(8316)のメガバンク3行やトヨタ自動車(7203)が下落していずれも年初来安値を更新しました。材料が出たところでは、カジュアル衣料大手のアダストリア(2685)が5%超の大幅安となりました。昨日発表した平成29年2月期の営業利益が6.8%の減益で着地し、今期予想も小幅な営業増益にとどまったことが嫌気されました。一方で無印良品などを展開する良品計画(7453)は1%高としっかりでした。昨日発表した3月の既存店売上高が前年比2.1%増と2月の3.9%減から回復したことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は一時マイナスに転じたものの小幅高で取引を終えました。今夜の米国市場ではISM非製造業景況指数やADP雇用統計といった重要経済指標のほか、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が発表されます。米連邦準備理事会(FRB)の今後のバランスシート縮小に関する議論がどの程度進んでいるかなどが注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)