1.概況
本日の日経平均は153円安の1万8909円と続落しました。TOPIXやJPX日経400も下落した一方で新興市場のマザーズ指数は上昇と主要指数は高安まちまちとなりました。昨日の米国市場で主要指数が上昇したこと、ドル円が111円台後半まで円安に振れたことを受け日経平均は107円高と反発して寄り付きました。前場の日経平均はやや狭い値幅での値動きとなり寄り付き近辺での推移が続きました。日経平均は11時過ぎからやや上げ幅を広げ一時は147円高をつける場面がありました。前場を125円高と高値圏で取引を終えた日経平均ですが、後場に入ると上げ幅を縮め、14時頃にはマイナスに転じました。日経平均はまもなく1万9000円を割り込むとその後も下げ幅を広げる展開となりました。日経平均は大引けにかけても一段安となり結局安値引けで取引を終えています。東証1部の売買代金は2兆5881億円と昨日から増加しました。東証33業種は電気・ガス業のみ上昇し残る32業種は下落しました。中でも倉庫運輸関連や水産・農林業、鉱業などが大きな下げとなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入った東芝(6502)は6%近い大幅高で3日続伸となりました。その他の売買代金上位銘柄は軟調な銘柄が多くなりました。任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)などがいずれも下落しました。一方で売買代金4位に入ったソニー(6758)は底堅く、0.9%の上昇で昨年来高値を更新しました。材料が出たところでは、経営統合に向け協議を進めていたものの統合を見送ることになったと発表した森永製菓(2201)と森永乳業(2264)はともに大きく下落しました。森永製菓が6.8%安となり、森永乳業はストップ安となっています。また、無印良品等を展開する良品計画(7453)は大手証券が新規に「オーバーウェイト」でカバレッジを開始したことが好感され2.8%高としっかりでした。

【VIEW POINT: 明日への視点】
ドル円は112円近辺で推移しており大幅な円高が進行したわけではありませんが、日経平均は153円安と続落し1日の高値からは300円ほど下落した格好となりました。日中の外部環境に特段大きな変化がなかったことを考えると本日の下げには年度末に伴う特殊な需給要因が影響した可能性がありそうです。来週は3日月曜日の寄り付き前に日銀短観が発表されます。また、月初とあってISM景況指数や雇用統計など米国の重要経済指標も相次いで発表されます。これらの経済指標の内容がマーケットに大きな影響を与えそうで、注意が必要です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)