NYダウ: 20728.49  △69.17 (3/30)
NASDAQ: 5914.34  △16.80 (3/30)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は堅調な米GDPなどを好感して上昇しました。朝方は小幅に下落する場面もあったダウ平均ですが、下げ渋ると買いが優勢となり上げ幅を広げ昼前には94ドル高まで買われました。その後昼過ぎに10ドル高余りまで弱含む場面もありましたが、持ち直すと結局69ドル高の20,728ドルと反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も16ポイント高の5,914ポイントと5日続伸となり、3月1日に付けた史上最高値をおよそ1ヵ月ぶりに更新しています。

2.経済指標等
10-12月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率換算で2.1%増となり、改定値から0.2ポイント上方修正され市場予想を上回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3千件減の25万8千件となりましたが、市場予想ほどは改善しませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融、資本財・サービス、エネルギーなどの7業種が上げ、金融は1%を超える上昇となりました。一方で公益事業、生活必需品などの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向
原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)が2%高となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、カナダのオイルサンドの権益を売却し、資金を自社株買いなどに充てると発表した石油大手のコノコフィリップス(COP)が急伸したほか、1月中旬から停止されていた銅の輸出再開でインドネシア政府と合意したと報じられた鉱業大手のフリーポート・マクモラン(FCX)も大幅高となりました。一方で決算を受け投資判断の引き下げが相次いだスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ(LULU)が急落し、中期経営計画や自社株買いを発表したアパレル大手VFコーポレーション(VFC)も利益確定の売りで大幅安となりました。スイスの心疾患向け治療機器メーカーを買収することで合意したと発表した医療機器のボストン・サイエンティフィック(BSX)も財務負担を懸念する売りが出て軟調でした。

5.為替・金利等
長期金利は堅調な米GDPを受けて0.05%高い2.42%となりました。こうしたなかドル円は円安となり111円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高と円安を受けて本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一目均衡表の雲のなかに止まるのか、それとも上値を伸ばし雲の上限(19,234円)を抜けてくるのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)