NYダウ: 20701.50  △150.52 (3/28)
NASDAQ: 5875.14  △34.77 (3/28)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は良好な経済指標と原油高を受けて上昇しました。朝方は小幅に下げる場面もあったダウ平均ですが、しばらくして買いが優勢になると一日を通して上げ幅を広げる展開となりました。上げ幅を三桁に広げ取引終盤に184ドル高まで買われたダウ平均はその後も高値圏で堅調に推移し結局150ドル高の20,701ドルと9日ぶりに反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も34ポイント高の5,875ポイントと3日続伸となりました。

2.経済指標等
1月のS&Pコアロジック・ケース・シラー米住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比5.7%上昇し、2014年7月以来の大幅な伸びとなり市場予想を上回りました。3月のコンファレンスボード米消費者信頼感指数も125.6と前月から上昇し、2000年12月以来16年3ヵ月ぶりの高水準となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融とエネルギー、素材、資本財・サービスの4業種が1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。なかでもアップル(AAPL)が2%余り上昇し、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり上場来高値を更新しました。また、金利上昇を受けてゴールドマン・サックス(GS)も1%台後半の上昇となり、アップルとゴールドマン・サックスの2銘柄でダウ平均を46ドル余り押し上げています。一方でジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とファイザー(PFE)、マクドナルド(MCD)の3銘柄が下げました。ダウ平均構成銘柄以外では、中国ネット大手のテンセントが5%の株式を17億8000万ドルで取得したことが明らかとなったテスラ・モーターズ(TSLA)や、中東のネット通販会社を買収したと発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)が堅調でした。スパイス・調味料のマコーミック(MKC)は決算で売上高が市場予想を下回ったことで大きく下げています。

5.為替・金利等
長期金利は良好な経済指標を受け0.04%高い2.42%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高に加えドル円も円安に振れるなど外部環境は好転しているものの、配当落ちの影響で本日の日経平均は小動きでのスタートが予想されます。日経平均の本日の配当落ちは130円余りとみられますが、その配当落ち分を一日で埋められるかが焦点となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)