NYダウ: 20661.30  ▼6.71 (3/22)
NASDAQ: 5821.64  △27.82 (3/22)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はトランプ政権の政策運営への不透明感を懸念する売りが引き続き出る一方で、前日に大きく下げた反動からハイテク株を中心に買い戻しも入り小幅に高安まちまちとなりました。下落して始まりしばらくして90ドル安近くまで売られたダウ平均は昼前に持ち直したものの、前日終値をわずかに上回ったところで上値を押さえられると午後も軟調な展開が続きました。取引終盤に再びプラスに転じ20ドル高近くまで買われる場面もみられたダウ平均ですが、上値は重く結局6ドル安の20,661ドルと5日続落で取引を終えています。一方でS&P500株価指数が4ポイント高の2,348ポイントと5日ぶりに反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も27ポイント高の5,821ポイントと反発しています。

2.経済指標等
2月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比3.7%減の548万戸となり市場予想も下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や公益事業、資本財・サービスなどの7業種が上げました。一方で4業種が下げ、電気通信サービスが1%安となっています。

4.個別銘柄動向
総合小売りのシアーズ(SHLD)が急落しました。米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書で事業継続のリスクを示す「継続企業の前提に関する注記」を記載したことで警戒感が強まりました。決算で売上高が市場予想に届かなかったナイキ(NKE)も大幅安となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。一方で強気の投資判断を受けて写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が大きく上げたほか、決算が市場予想を上回ったキャンピングカーなどを製造・販売するウィネベーゴ・インダストリーズ(WGO)も大幅高となっています。また、目標株価の引き上げを好感して総合物流大手のフェデックス(FDX)が堅調でした。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.40%となりました。ドル円は一時110円台後半まで円高が進む場面もみられました。朝方は111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は買い材料に乏しいものの、日経平均が400円以上下げた後ということもあって小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうで、日経平均が節目の19,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)