1.概況
本日の日経平均は414円安の1万9041円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数はいずれも下落しました。オバマケアの代替法案の可決が危ぶまれるなどトランプ政権の政策運営が停滞するとの懸念が高まったことから昨日ダウ平均は237ドルの大幅安となりました。また米長期金利が低下しドル円が111円台まで円高に振れたこともあり、日経平均は309円安の1万9146円と大幅に続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後にやや下げ幅を縮める時間帯がありましたが、その後再び下げ幅を広げる展開となり一時は下げ幅が400円を上回る場面もありました。前場を390円安で終えた日経平均は後場に入っても安値圏での推移が続きました。日経平均は結局414円安の1万9041円と2月9日以来約1ヶ月半ぶりの安値で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6583億円となりました。東証33業種はその他製品を除く32業種が下落しました。中でも保険業や証券商品先物、海運業といった景気敏感セクターが大きな下げとなりました。

2.個別銘柄等
売買代金上位のほとんどの銘柄が大幅安となるなか、東証1部の売買代金トップに入った任天堂(7974)は4.3%の大幅高となりました。新型ゲーム機の販売好調が伝わるなか大手証券が目標株価を引き上げたことなどが材料視されました。一方でメガバンク3行やトヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、富士重(7270)などがいずれも大きく下落しました。材料が出たところでは、日立マクセル(6810)が8.4%の大幅安となりました。日立(6501)が保有する同社の株式を一部売却し持分適用会社から外れると発表したことから需給悪化懸念が高まり急落しました。一方で澤藤電機(6901)はストップ高となりました。アンモニアから水素を作る技術を開発したことが材料となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日の当欄では、今週は膠着感が強い可能性があると書きましたが、米国株の急落と円高進行を受け日経平均は大幅安となりました。一時的な政策不透明感の高まりから円高・株安が進行しましたが、トランプ大統領の掲げる減税等の景気刺激的な政策が完全に頓挫したわけではないことから単なる押し目の可能性もあります。業績好調な優良銘柄を徐々に買い下がるような好機にしたいところです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)