NYダウ: 20668.01 ▼237.85 (3/21)
NASDAQ: 5793.83 ▼107.70 (3/21)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、長期金利の低下を受けて金融株が売られたことに加え、今週にも下院で採決される見通しのオバマケア(医療保険制度改革)の代替法案について可決が危ぶまれていることでトランプ政権の政策運営が停滞するとの懸念から大きく下落しました。小幅に上昇して始まったダウ平均ですが、上値が伸び悩んだことでしばらくして下落に転じるとその後は下げ幅を広げる展開となり引け間際には250ドル安余りまで売られました。結局ダウ平均は237ドル安の20,668ドルと4日続落で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も107ポイント安の5,793ポイントと5日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
2016年10-12月期の米経常収支の赤字額は前期比3.1%減の1123億8200万ドルと3期連続で縮小し市場予想も下回りました
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げました。そのなかでも金融が3%近く下落したほか、素材や資本財・サービス、情報技術、一般消費財・サービスも1%を超える下げとなっています。一方で公益事業が1%を上回る上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が下げました。なかでも長期金利の低下を受けてゴールドマン・サックス(GS)が3%を超える下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、JPモルガン・チェース(JPM)も3%近く下げました。また、キャタピラー(CAT)も3%を上回る下落となっています。一方でコカコーラ(KO)とシェブロン(CVX)が小幅に上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い2.41%となりました。こうしたなかドル円では円高が進み111円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安と円高を受けて本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下げ幅を広げそうで、日足の一目均衡表の雲の上限(19,123円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)