1.概況
本日の日本市場は買い材料に乏しく反落しました。79円安の19,510円で寄り付いた日経平均は取引開始5分後には102円安まで売られ節目の19,500円を割り込みましたが、19,500円を小幅に下回ったところで下げ渋り持ち直すと、しばらくして19,500円台を回復しました。その後19,500円台前半で小動きとなった日経平均は68円安の19,521円で取引を終えています。また、新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに反落となっています。
2.個別銘柄等
売買代金で上位に入った銘柄には軟調なものが目立ちましたが、売買代金トップの任天堂(7974)は新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の来期の生産計画を好調な需要を受けて少なくとも2倍に引き上げると伝わったことで後場に上げに転じ1.7%高となりました。また、売買代金4位の東芝(6502)が3.5%高と反発しました。分離・売却する半導体事業の新会社「東芝メモリ」について政府系の日本政策投資銀行が一部出資する検討に入ったとの報道を受けて、経営の先行き不透明感が後退しました。一時は8%超上昇する場面もみられました。7位のファナック(6954)も2.7%高となり昨年来高値を更新しました。ファナック以外にもブラザー工業(6448)やミネベアミツミ(6479)、安川電機(6506)などが昨年来高値を更新しています。さらに新潟地銀2位の北越銀行(8325)が7.4%高となりました。新潟地銀トップの第四銀行(8324)と経営統合に向けて最終調整に入ったと伝わったことで買われました。一方で第四銀行は1.0%安と下げています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
先週金曜日の米雇用統計を皮切りに、米FOMC、オランダ議会選挙、日銀の金融政策決定会合、トランプ政権の予算方針と続いた重要イベントを大きな波乱なく消化してきたことで今週の日本株はドル円が円高となるなかでも堅調な地合いが続きました。こうしたなか本日からドイツでG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。会議に初めて参加するムニューシン米財務長官に対する警戒も一部にあるなかで今週最後の重要イベントを無事通過し、堅調な地合いのままで連休明けを迎えられれば、イベント通過で動きやすくなることもあって来週は再び高値を試すような展開も期待できそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)