1.概況
本日の日本市場は小幅に反発しました。米FOMCの結果を受けてドル円が113円台前半まで円高となっていたことで118円安の19,458円で寄り付いた日経平均は、寄り付きから大きく下げ幅を広げることなく底堅さをみせたことで朝方の売りが一巡するなか切り返し10時過ぎにはプラスに転じました。昨日終値をわずかに上回ったところで上値を押さえられ直ぐにマイナスとなった日経平均ですが、小幅安で下げ渋って推移すると後場に入って再び上昇に転じ13時前には41円高まで買われました。さすがに13日に付けた昨年来高値まで15円弱まで迫ったこともあって19,600円を上回ったところで上値を押さえられた日経平均はその後小幅にマイナスとなる場面もありましたが、昨日終値近辺では底堅く結局12円高の19,590円と3日ぶりに小幅に反発して取引を終えています。新興市場は堅調で昨日に大幅下落となった東証マザーズ指数が1%を超える上昇となり4日ぶりの反発となったほか、日経ジャスダック平均も反発となっています。
2.個別銘柄等
米FOMCの結果を受けて米長期金利が低下したことで生保株が売られました。第一生命ホールディングス(8750)が3.5%安、T&Dホールディングス(8795)が3.1%安となっています。また、毎年3月15日の「世界消費者権利デー」に合わせ、企業の品質問題や欠陥製品を紹介する番組を放送している中国国営中央テレビが中国への輸入を禁止している日本の地域で生産された食品が一部店舗で販売されているとして商品や売り場が取り上げられた良品計画(7453)やカルビー(2229)、イオン(8267)が売られました。イオンは0.1%安と小幅な下げに止まったものの、良品計画が1.2%安、カルビーが2.9%安となっています。日産(7201)が一時3%以上下げる場面がありました。フランスの自動車大手ルノーが25年以上にわたりディーゼル車とガソリン車の排ガス試験で不正行為を行っていたと伝わりルノー傘下の日産が売られました。引けは1.7%安となっています。反対に大きく上げたのがコマツ(6301)と古河電気工業(5801)で、コマツは外資系証券が新規に強気の投資判断を付けたことで一時3.6%高となり昨日に続いて昨年来高値を付けました。古河電気工業は国内大手証券の目標株価と投資判断の引き上げを受けて5.1%高となっています。通期の営業利益を上方修正した鹿島(1812)も上方修正で25年ぶりに最高益を更新する見通しとなったことで一時4%高となる場面がありました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は続落でのスタートとなりましたが、下げ渋るとプラスに転じました。ドル円が大きく円高に振れたにも関わらず先週末に約2ヵ月ぶりに昨年来高値を更新した堅調な地合いはそのままのようです。トランプ政権の予算の基本方針の公表やG20財務相・中央銀行総裁会議といった今週に予定されている残りのイベント通過後もこうしたセンチメントが維持されれば日経平均の20,000円回復への期待も一段と高まりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)