1.概況
本日の日本市場は円安一服で利益確定の売りが出て反落となりました。米国市場が下落となった一方でドル円がやや円安となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていたことから13円安の19,551円と小動きで寄り付き、寄り付き後に昨日終値近辺で揉み合いとなった日経平均は昨年来高値を前に上値が伸び悩んだことから売りが優勢となり11時前には50円安まで下げました。その後も二桁での下げで推移していた日経平均ですが、円安が一服しやや円高となったこともあって後場に入って19,500円を割り込んで下げ幅を三桁に広げ14時半過ぎには172円安まで売られ安値を付けました。しかし、19,400円をわずかに割り込んだところで下げ渋り持ち直すと引けで下げ幅を二桁に縮め結局95円安の19,469円で取引を終えています。こうしたなか新興市場は本日も堅調で東証マザーズ指数が小幅に10日続伸となったほか、日経ジャスダック平均も小幅に16日続伸となり連日で昨年来高値を更新しています。

2.個別銘柄等
昨日は新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の発売を前に下落した任天堂(7974)ですが、本日は各地で購入のための行列ができたなどと伝わったこともあって好調な出足を好感した買いが入り3.7%高となりました。そしてそのニンテンドースイッチにネットワークシステムが採用されたと発表したマザーズ市場のACCESS(4813)は急伸しストップ高となっています。そのほか3.1%高と大きく上げたのが森永乳業(2264)で、米国でのヨーグルト事業に参入すると発表したことから海外事業での収益拡大を期待した買いが入り昨年来高値を更新しました。堅調だったのが海運株でバルチック海運指数が約1カ月ぶりに900ポイントを回復したことで買われました。日本郵船(9101)は変わらずでしたが、商船三井(9104)が1.9%高となり昨年来高値を更新したほか、川崎汽船(9107)も小幅に上げ、業種別株価指数では海運業が上昇率2位となりました。小売りには既存店売上高の結果で明暗を分けるものがみられました。2月の国内ユニクロの既存店売上高が前年同月比5.2%増と3カ月ぶりにプラスとなったファーストリテイリング(9983)は2.1%高となったものの、反対に2月の既存店売上高が3.0%減となったABCマート(2670)は3.2%安と下げています。下げが目立ったのが大東建託(1878)で2月の受注高が前年同月比11%減と二桁の減少となったことが嫌気され4.3%安となりました。大林組(1802)も外資系証券の目標株価と投資判断の引き下げを受けて3.9%安と大きく下げています。長谷工コーポレーション(1808)は期末配当を従来の20円から記念配を含め30円に引き上げると発表したものの、昨日に昨年来高値を付けていたこともあって利益確定の売りが出て3.4%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日も引けで昨年来高値に届かなかった日経平均は、本日も昨年来高値を前に上値を押さえられ下げ幅を広げると19,500円の節目を割り込んでしまいました。日経平均は19,500円近辺で押し返される展開が続いているだけに、昨日と本日の展開が19,500円台での上値の重さを改めて印象付けた格好です。来週こそ昨年来高値更新に期待したいところですが、トランプ米大統領の議会演説といった重要イベントを通過したことでマーケットの関心が再び米国の金融政策に向かうなか、今晩の米国でのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長とフィッシャーFRB副議長の講演を受けて一段と円安が進むかが高値更新のポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)