1.概況
本日の日本市場は円安を好感して続伸となりました。米FRB高官の相次ぐタカ派発言を受けてドル円が112円台後半まで円安に振れていたことから107円高の19,226円と三桁の上昇で寄り付いた日経平均は、113円台前半までさらに円安が進んだことで10時20分過ぎに241円高まで買われました。その後トランプ米大統領の議会演説を前に10時半過ぎから急速に上げ幅を縮め11時過ぎには一時45円高となる場面もありましたが、演説が始まるとやや持ち直し103円高の19,222円で前場の取引を終えました。トランプ米大統領の議会演説に新味はなかったものの、演説を終えて始まった後場の日経平均は前場終値を80円余り上回って寄り付くと113円台半ばまで円安が進んだことで14時半に295円高まで上昇し19,400円台に乗せました。19,400円を小幅に超えたところで上値を押さえられた日経平均ですが結局274円高の19,393円と高値圏で取引を終えています。こうしたなか新興市場は本日も堅調で東証マザーズ指数が8営業日続伸となったほか、日経ジャスダック平均も14営業日続伸となり昨年来高値を連日で更新しています。

2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)がトランプ米大統領の議会演説を受けて上げ幅を広げ2.6%高となりました。トランプ米大統領が議会演説のなかで米国に新規雇用を創出した企業として米ゼネラル・モーターズ(GM)やインテル(INTC)とともに企業名が挙がったことで改めて注目されました。「レチノール」という成分にしわを改善する効果があることを発見し、年内に有効成分を配合した商品を発売すると発表した資生堂(4911)も3.9%高と大きく上げました。一方で別の有効成分を配合したしわ改善の効果のある化粧品を1月に発売していたポーラ・オルビスホールディングス(4927)は8.0%安と急落しています。そのほか寄り付き前に100億円を上限とする自社株買いを発表した栗田工業(6370)や、国内大手証券が目標株価を引き上げた三井金属鉱業(5706)が買われ、栗田工業が6.5%高、三井金属鉱業が3.5%高となっています。大きく下げたのがエイチ・アイ・エス(9603)やパーク24(4666)で、ともに第1四半期(2016年11月-2017年1月期)の営業利益が二桁の大幅減益となったことが嫌気されエイチ・アイ・エスが3.2%安、パーク24が4.3%安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
トランプ米大統領は議会演説でインフラ投資の必要性や減税などに言及したものの、具体的な内容にはほとんど触れられませんでした。しかし、マーケットはネガティブな反応となりませんでした。事前に踏み込んだものにはならないとの見方が徐々に増えるなか、大統領らしい演説が安心感につながったこともあってか新たな売り材料とならず、後場の日経平均は円安を好感した演説前の朝方の地合いをそのまま引き継ぐ格好となりました。高値圏にある米国市場の今晩の反応も気になりますが、今週最大のイベントは取り敢えず無事通過したことになります。今週は重要な経済指標の発表やイエレンFRB議長の講演もあります。こうしたなかでさらに円安が進むのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)