1.概況
本日の日経平均は233円安の1万8914円と大幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が小幅に上昇したことを受け、日経平均は4円高と小幅に高く寄り付きました。しかし日経平均は寄り付き後まもなくからマイナスに転じるとドル円が円高に振れたことを受け、その後はほぼ1日を通して下げ幅を広げる展開となりました。前場を48円安で終えた日経平均ですが後場寄りから一段安になるとその後も徐々に下げ幅を広げました。引け間際に日経平均は281円安と1日の安値をつけました。引けにかけてやや値を戻したもののそのまま1日の安値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆5703億円となりました。東証33業種は海運業や鉱業、倉庫運輸関連など31業種が下げました。医薬品と卸売業の2業種のみ小幅に上昇しています。
2.個別銘柄等
円高進行を嫌気して東証1部の売買代金上位の主力銘柄は軟調な銘柄が目立ちました。売買代金トップのトヨタ自動車(7203)が2%近く下げたほか、ソフトバンクグループ(9984)、メガバンク3行、任天堂(7974)がいずれも下落しました。一方で売買代金5位に入った三菱商事(8058)は2.1%高としっかりでした。本日の14時に行った決算発表で今期の純利益予想を従来の3300億円から4400億円に引き上げるとともに配当予想も引き上げたことが好感されました。その他材料が出たところでは、本日の13時15分に決算発表を行った三菱電機(6503)は決算内容が物足りないとして発表後に急落し終値では5%近く下げています。また、前引け後に今期の売上高や営業利益の予想を下方修正したグルメサイト「食べログ」などを運営するカカクコム(2371)は13.4%の急落となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
112円台まで進んだ円高を嫌気し日経平均は反落しました。日本企業の業績好転期待と円高進行への不安とが綱引きとなっており、日経平均は1万9000円を挟んだ展開が続いています。昨日発表された連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文が今後の利上げ時期を示唆するような文言が記載されていない慎重な内容だったことも円高圧力となっているのかもしれません。本日の大引け後には新日鉄住金(5401)、ソニー(6758)、マツダ(7261)、KDDI(9433)などが決算発表を行いました。明日のマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)