1.概況
本日の日経平均は98円安の1万9368円と4日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが新興市場のマザーズ指数は上昇し、昨年の7月6日以来約6ヶ月半ぶりに1,000ポイントの節目を回復しました。先週末の米国市場は小動きでドル円も大きく動いていませんでしたが、日経平均は3日間で700円近く上げていたことからか利益確定売りが先行し96円安の1万9371円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後にやや下げ幅を縮めましたがその後は下げ幅を大きく広げる展開となり、10時半過ぎに171円安と1日の安値をつけました。前場を144円安で終えた日経平均は、後場に入ると再び下げ幅を縮めました。日経平均は結局寄り付きとほぼ同水準の98円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は1兆9240億円と1月16日以来2週間ぶりに2兆円に届きませんでした。東証33業種は石油石炭製品や鉄鋼など10業種が上昇しました。一方で保険業や電気・ガス業、銀行業など23業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね軟調な値動きとなりました。売買代金トップに入ったソフトバンクグループ(9984)が1.4%安となったほか、三菱UFJ(8306)、東芝(6502)、三井住友(8316)、みずほ(8411)などがそれぞれ下落しました。売買代金8位に入ったNTTドコモ(9437)は、27日の決算発表後の会見で社長が「今期の大幅な業績上振れ余地はあまりないと考えている」という趣旨の発言をしたことなどから業績の上振れ期待が後退し2%超下落しました。一方、同じく27日に決算発表を行った野村総合研究所(4307)は7.7%の大幅高となりました。10-12月の3ヶ月間の売上高が前年同期比4%増、営業利益が8.8%増と業績に持ち直しの兆しがみられたことが好感されたようです。また、平成28年12月期の営業利益が前期比33.9%増と堅調で、今期の営業利益予想も22%増と発表した工場用資材のネット通販を手がけるMonotaRO(3064)も13%高と大きく上昇しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
利益確定売りに押された日経平均は4日ぶりに反落しました。今週は重要イベントが目白押しです。本日から明日にかけて日銀の金融政策決定会合が開催されるほか、31日と1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。どちらの会合も金融政策の現状維持が決定される可能性が高いとみられていますが、今後の政策についてどのような示唆が行われるか注目されます。その他にも1日のISM製造業景況指数、3日のISM非製造業景況指数、雇用統計と米国の重要経済指標が多く発表されます。また、日本企業の決算発表も本格化し注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)