1.概況
本日の日経平均は80円高の1万8894円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて反発しました。昨日の米国市場でダウ平均は58ドル安と3日続落し、ドル円が112円台まで円高に振れたことを受け日経平均は59円安と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き直後に小幅にプラスに転じる場面がありましたがその後すぐに再びマイナスに転じると、その後は下げ幅を広げました。10時頃に163円安と1日の安値をつけるとその後は持ち直し37円安で前引けをむかえました。後場に入るとさらに下げ幅を縮めて昨日の終値を挟んだもみ合いとなる時間がありました。14時過ぎから上げ幅を広げた日経平均は引けにかけても堅調で結局80円高と1日の高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2282億円となりました。東証33業種は鉄鋼や海運業など25業種が上昇しました。一方でゴム製品や医薬品など8業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。三菱UFJ(8306)や任天堂(7974)、みずほ(8411)などは小幅に下げたものの、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、東芝(6502)などはしっかりでした。東芝は半導体事業を分社化する方針と伝わったことが好感されたようです。その他材料が出たところでは、新日鉄住金(5401)が5%近い大幅高となりました。1月契約分の流通市場向けH形鋼の価格を引き上げると発表したことが材料視されました。その他の鉄鋼株も連れ高となり、東京製鐵(5423)、JFE(5411)、神戸鋼(5406)などがいずれも大幅に上昇しています。また、三井不動産(8801)は外資系証券が目標株価を引き上げたことが好感され2.8%高となっています。一方で昨日発表した平成28年12月期決算で、10-12月の3ヶ月の営業利益が前年同期比で減益に終わったステーキレストランを展開するブロンコビリー(3091)は2.8%安となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は一時大きく下落しましたが持ち直し、3日ぶりに反発しました。ただし依然としてドル円は113円台で推移しており短期的な底入れとなったかは不透明です。本日の米国市場ではイエレンFRB議長の講演が予定されています。今後の金融政策について何らかの示唆があるかなど注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)