NYダウ: 19954.28 △98.75 (1/11)
NASDAQ: 5563.65 △11.83 (1/11)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
【VIEW POINT: 今日の視点】
1.概況
米国市場は上昇しました。原油高などを受けて上昇して始まったダウ平均はトランプ次期米大統領の会見前に120ドル高近くまで買われましたが、会見でマーケットが期待していた財政政策や税制改革に関する言及がなかったことや薬品株が売られたことで昼前に上げ幅を縮めマイナスに転じました。しかし、大きく売られることなく底堅さをみせると切り返し午後に再び上げ幅を広げる展開となり結局98ドル高の19,954ドルと3日ぶりに反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数もトランプ次期米大統領の会見を受けてバイオ株が売られマイナスに転じる場面もありましたが、持ち直し11ポイント高の5,563ポイントと7日続伸となり5日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、エネルギーが1%を超える上昇となったほか、公益事業も1%近く上げています。一方で3業種が下げ、ヘルスケアが1%安となっています。
4.個別銘柄動向
トランプ次期米大統領が会見で薬価が高すぎるとして新たな価格決定の仕組みが必要との考えを示したことで薬品株が売られ、ファイザー(PFE)が2%近く下落しダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%以上下げています。また、バイオ医薬品大手のバイオジェン(BIIB)や後発医薬品のマイラン(MYL)も大きく下げています。一方で製薬のメルク(MRK)は買われダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。がん免疫治療薬を抗がん剤と併用する治療法で米食品医薬品局(FDA)が審査を始めると発表したのを好感した買いが入りました。また、2016年12月の旅客輸送実績が改善した米航空大手ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)が堅調でした。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.37%となりました。ドル円はトランプ次期米大統領の会見で財政政策や税制改革に関する言及がなかったことでドルが売られ一時114円台前半まで円高が進む場面もありましたが、朝方は115円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が上昇する一方でドル円が円高となるなど強弱入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日中はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)