1.概況
本日の日本市場は円高を嫌気して続落となりました。日本市場が休場中に米国市場でダウ平均が小幅に下落して戻ってきたこともあって本日の日経平均は39円安と小幅に下げて寄り付くと軟調な展開がしばらく続きましたが、下げ幅を三桁に広げることなく底堅く推移したことから11時過ぎにプラスに転じ一時は30円高まで上昇しました。5円安と小幅な下落で前場の取引を終えた日経平均は、昼休み時間中に116円近辺で推移していたドル円が115円台半ばまで円高に振れたことから81円安と前場の安値近辺で後場の取引をスタートさせると、さらに115円台前半まで円高が進んだことで下げ幅を三桁に広げ一時は200円安近くまで売られました。その後円高一服に歩調をあわせる格好で下げ幅を縮める場面もあった日経平均ですが、結局152円安の19,301円と3日続落で取引を終えています。一方、新興市場は堅調で東証マザーズ指数が反発したほか、日経ジャスダック平均は5日続伸となり昨年来高値を先週末に続いて更新しています。

2.個別銘柄等
ミツミ電機(6767)に代わって日経平均構成銘柄に24日から新たに採用されることが決まった大塚ホールディングス(4578)が8.7%高と急伸し、一時は13%高まで買われる場面もありました。しかし、構成候補銘柄として名前が挙がっていた村田製作所(6981)やセイコーエプソン(6724)は採用されなかったことで大きく下げています。そのほか外資系証券が投資判断を引き上げたローム(6963)や、国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げた富士通ゼネラル(6755)が大幅高となり、ロームは昨年来高値を更新ました。米ナスダック市場に上場し、がん治療薬を手掛ける製薬会社のアリアド・ファーマシューティカルズ(ARIA)を約6200億円で買収すると発表した武田薬品工業(4502)は1円高となっています。一方、米デトロイトで開幕した北米自動車ショーで今後5年間に米国で約1兆1600億円を投資すると正式に表明したトヨタ(7203)は円高ということもあって1%近く下げましたが、前場は小幅に上げる場面もみられました。また、薬価の引き下げやC型肝炎治療薬関連商品の販売減少、インバウンド消費の減速などから通期の業績予想を下方修正し増益予想が一転して減益予想となったドラッグストアーのスギホールディングス(7649)や、第一四半期(2016年9-11月期)が大幅な減益となった島忠(8184)が大幅安となり、2016年4-12月期の営業利益が560億円前後と前年同期より1割ほど減ったようだと報じられたヤマトホールディングス(9064)も大きく売られました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は三桁の下げとなり、本日は先週末にサポートとなった5日移動平均線を割り込みました。したがって米大統領選後の上昇相場にここにきて一服感があるなか、さらに下値を試す展開となった場合には12月下旬の調整局面でサポートとなった25日移動平均線が再び支えとなるかがポイントとなりそうです。こうしたなか今週は11日のトランプ米次期大統領の会見や、今週からスタートする米国企業の10-12月期の決算発表などのイベントに注目が集まりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)