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【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は米雇用統計で賃金の伸びが加速したことで労働市場の改善が続いているとの見方から上昇しました。朝方こそ小幅に下げる場面もあったダウ平均ですが、徐々に買いが優勢になると午後には一時上げ幅を100ドルまで広げ昨年12月20日に付けた史上最高値を上回って19,999ドルまで買われる場面もありました。しかし20,000ドルの大台を目前に上値を押さえられると引けにかけてやや上げ幅を縮め結局64ドル高の19,963ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数は7ポイント高の2,276ポイントと反発し昨年12月13日に付けた史上最高値を更新しています。さらに、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も33ポイント高の5,521ポイントと4日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しました。 昨日の米国市場は高安まちまちとなりました。原油価格の下落が重石となったダウ平均とS&P500株価指数は反落となったものの、ハイテク株やバイオ株に買いが入ったナスダック総合株価指数は5日続伸となり3日続けて史上最高値を更新しています。一日を通して軟調な展開が続いたダウ平均は引けにかけて下げ幅をやや広げると結局76ドル安の19,887ドルとなり安値引けで取引を終えています。また、S&P500株価指数も8ポイント安の2,268ポイントとなりました。一方でナスダック総合株価指数は10ポイント高の5,531ポイントとなっています。

2.経済指標等
6日に発表された2016年12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から15万6000人増となり市場予想を下回りました。しかし、平均賃金は前同月比2.9%増と前月の2.5%増から伸びが加速し市場予想も上回っています。失業率は労働参加率の上昇もあり4.7%と9年ぶりの低水準だった前月の4.6%から小幅に上昇しています。2016年11月の米貿易収支の赤字額は前月比6.8%増の452億4000万ドルと2カ月連続で拡大し市場予想を上回る赤字となりました。2016年11月の米製造業受注は前月比2.4%減と5カ月ぶりに減少し市場予想を下回りました。 昨日発表の2016年12月の米労働市場情勢指数(LMCI)は マイナス0.3と前月から悪化し7カ月ぶりにゼロを下回りました。2016年11月の米消費者信用残高は前月比245億3160万ドル増の3兆7499億5299万ドルとなり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
先週末の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術、資本財・サービス、一般産業・サービスなど8業種が上げ、情報技術は1%近く上昇しました。一方で電気通信サービス、不動産、素材の3業種が下げ、電気通信サービスは2%を超える下落となりました。昨日の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、エネルギーと公益事業、電気通信サービスの3業種が1%を超える下落となりました。一方でヘルスケアと情報技術、素材の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向
先週末の米国市場では投資判断と目標株価の引き上げを受けてウォルト・ディズニー(DIS)が堅調だったほか、高コレステロール血症治療薬を巡る訴訟で競合他社の特許侵害が認められたバイオ医薬品のアムジェン(AMGN)や昨年12月の既存店売上高が増えたギャップ(GPS)が買われました。一方で昨年11-12月の既存店売上高が前年同期比0.8%減ったと発表した百貨店のJCペニー(JCP)や、業績見通しの下方修正を発表した衣料のG-3アパレル・グループ(GIII)が大きく下げています。 昨日の米国市場では原油価格の下落を受けてエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)が下げ、エクソンモービルはダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、投資判断の引き下げを受けてプロクター・アンド・ギャンブル(PG)も軟調でした。年末商戦の結果を受けて売上高総利益率が悪化するとの見通しを発表したカジュアル衣料・雑貨専門店を展開するアーバン・アウトフィッターズ(URBN)も下げています。一方で武田薬品工業(4502)に約54億ドルで身売りすることで合意したと発表したアリアド・ファーマシューティカルズ(ARIA)が買収価格にさや寄せする格好で7割以上上昇し急騰しています。菓子のマースが買収を発表したペット向け医療事業を手掛けるVCA(WOOF)も急伸しています。

5.為替・金利等
先週末の長期金利は米雇用統計で賃金の伸びが加速したことで0.08%高い2.42%となりました。昨日の長期金利は0.06%低い2.36%となりました。ドル円は米雇用統計の結果を受けて円安に振れ117円台を付けましたが、メイ英首相のメディアとのインタビューでの発言を受け英国が強硬姿勢でEUとの離脱交渉に臨むとの不安が再燃しポンドが売られたことでリスクオフとなったことから円が買われ、朝方は115円台後半での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が先週末と昨日の2日間のトータルで小幅な下落となったことから本日の日本市場も軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が5日移動平均線(先週末時点で19,365円)を本日も維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)