NYダウ: 19899.29 ▼42.87 (1/5)
NASDAQ: 5487.94 △10.93 (1/5)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。金利低下を受けて金融株が売られたことでダウ平均とS&P500株価指数は3日ぶりの反落となったものの、主力のハイテク株が買われたことからナスダック総合株価指数は3日続伸となっています。朝方こそプラスとなる場面もあったダウ平均ですが、前日終値を小幅に上回ったところで上値を押さえられ上値の重さが意識されると下げ幅を広げる展開となり昼前には130ドル安余りまで売られました。その後切り返すと午後は徐々に下げ幅を縮める展開となりましたが、戻し切れず結局42ドル安の19,899ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も1ポイント安の2,269ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は10ポイント高の5,487ポイントとなり、昨年12月27日に付けた史上最高値を小幅に上回っています。
2.経済指標等
2016年12月の米ISM非製造業景況感指数は前月と変わらずの57.2となり市場予想を上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万8000件減の23万5000件となり市場予想を下回って改善しました。一方で2016年12月の米ADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は15万3000人増加したものの、市場予想は下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融、資本財・サービス、エネルギーなどの6業種が下げ、金融は1%を超える下落となりました。一方で不動産やヘルスケア、生活必需品などの5業種が上げています。
4.個別銘柄動向
アプリ配信ストア「アップストア」の売り上げが過去最高水準に達したと発表したアップル(AAPL)や、一部事業の売却や店舗閉鎖を含む再建計画を発表した総合小売りのシアーズ・ホールディングス(SHLD)が堅調でした。決算で最終損益が黒字に転じた種子・農業製品のモンサント(MON)も小幅に上げています。また、目標株価の引き上げを受けてユナイテッドヘルス・グループ(UNH)やシグナ(CI)、ヒューマナ(HUM)といった米医療保険株が軒並み買われています。一方で昨年12月の既存店売上高が落ちこんだ女性向け衣料・雑貨の米エル・ブランズ(LB)が大幅安となり、人事などの調査や助言サービスを手掛けるCEB(CEB)を約26億ドルで買収すると発表した調査会社のガートナー(IT)が財務負担を嫌気する売りで急落しています。CEBは買収価格にさや寄せする格好で急伸しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.10%低い2.34%となりました。ドル円は一段と円高が進み115円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円高を受けて下落でのスタートが予想されます。こうしたなか日中はドル円の動向をにらみながらとなりそうですが、日経平均が昨日のように下げ渋る展開となり、5日移動平均線(昨日時点19,355円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)