1.概況
本日の日経平均は30円安の1万9114円と小幅に続落しました。JPX日経400も下落しましたが、TOPIXや新興市場のマザーズ指数は上昇と主要指数は高安まちまちでした。昨日の米国市場でダウ平均が小幅に下落し、ドル円もやや円高に振れたことを受け日経平均は147円安と続落して寄り付きました。前場はマイナス圏での推移が続きましたが徐々に下げ幅を縮めると77円安で前引けをむかえました。後場寄りからさらに下げ幅を縮めた日経平均は、13時過ぎにプラスに転じると昨日終値を挟んでもみ合いとなり、14時過ぎからはプラス圏での推移となりました。しかし、引け間際に再びマイナスに転じるとそのまま小幅安で取引を終えました。日経平均は昨年末の終値1万9033円を上回って取引を終え、年間リターンは小幅なプラスとなり5年連続で上昇しました。東証1部の売買代金は1兆7125億円と昨年の大納会の1兆6505億円とほぼ同水準でした。東証33業種は水産・農林業や医薬品など15業種が上昇しました。

2.個別銘柄等
連日大幅安となっていた東芝(6502)は9.4%高と本日は反発しました。短期的なリバウンドを狙った買いが入ったとみられます。その他の売買代金上位銘柄も概ね堅調で、三菱UFJ(8306)やトヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、任天堂(7974)、みずほ(8411)などがそれぞれ上昇しています。材料が出たところでは、昨日減益決算を発表したカジュアル衣料大手のアダストリア(2685)が9%の大幅安となりました。一方、エアバッグ問題で米司法省との和解が大詰を迎えていると報じられたタカタ(7312)は昨日に引き続きストップ高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
2016年の日本株式市場の取引は終了いたしました。主要指数の年間騰落率を見てみると、日経平均は+0.4%、TOPIXは-1.9%、JPX日経400は-2.4%と主要3指数は高安まちまちでした。一方で東証2部指数は+10.6%、マザーズ指数は+6.3%、日経ジャスダック平均は+3.5%といずれも堅調でした。どちらかと言えば大型株よりも小型株のパフォーマンスが良かった1年だと言えそうです。また、東証REIT指数も+6.2%と上昇しています。 日銀のマイナス金利導入、原油価格の大幅な下落、英国のEU離脱(Brexit)、トランプ氏の大統領選勝利などサプライズが多くまるでジェットコースターのように株価の浮き沈みの激しい1年となりました。さて、来年はどのような1年となるのでしょうか。おそらくトランプ氏の経済政策が市場動向の鍵をにぎることは間違いないでしょう。来年も皆様の投資判断の参考としていただくべく、本欄や各種レポート等で社員一丸となって情報発信に取り組んでまいります。本年もマネックス証券をご愛顧いただきまして誠にありがとうございました。2017年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)