NYダウ: 19933.81  △14.93 (12/23)
NASDAQ: 5462.69  △15.27 (12/23)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
22日の米国市場はクリスマス前で参加者も減るなか材料に乏しく小幅続落となりました。下落して始まったダウ平均は一日を通して軟調な展開が続きましたが、下値も60ドル安程度と限定的で結局23ドル安の19,918ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も24ポイント安の5,447ポイントとなっています。 先週末の米国市場はクリスマスの祝日を含む3連休前の週末で市場参加者も少なく方向感に欠けるなか3日ぶりに小幅反発となりました。ダウ平均は上値が15ドル高、一方で下値が20ドル安程度と一日を通して前日近辺で小動きとなり結局14ドル高の19,933ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も15ポイント高の5,462ポイントとなっています。

2.経済指標等
22日に発表された7-9月期の米GDP確定値は年率換算で前期比3.5%増と改定値の3.2%増から上方修正され市場予想を上回りました。11月の米耐久財受注額は市場予想と同じ前月比4.6%減となりましたが、民間設備投資の先行指標とされる非国防資本財から航空機を除いたコア資本財の受注は0.9%増となり市場予想を上回っています。一方で11月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増で市場予想を下回り、変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータも前年同月比1.6%上昇となり市場予想を下回っています。11月の米個人所得は前月比横ばいでした。また、11月の米景気先行指標総合指数は前月比変わらずで市場予想を下回ったほか、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万1000件増の27万5000件と市場予想を上回って悪化しています。 23日発表の11月の新築住宅販売件数は、年率換算で前月比5.2%増の59万2000戸となり市場予想を上回りました。また、12月のミシガン大学消費者態度指数確報値も98.2と速報値の98.0から上方修正され市場予想を上回っています。

3.業種別動向
22日の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや素材、情報技術など7業種が下げ、一般消費財・サービスが1%安となっています。一方で電気通信サービスやエネルギーなど4業種が上げ、電気通信サービスが1%高となっています。 先週末の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケア、生活必需品、金融、素材など8業種が上げました。一方で一般消費財・サービス、エネルギー、公益事業の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向
22日の米国市場で決算が市場予想を上回った半導体大手マイクロン・テクノロジー(MU)が急伸したほか、決算で1株利益が市場予想を上回った食品大手のコナグラ・ブランズ(CAG)も大幅高となりました。一方で決算が減収減益で売上高が市場予想を下回ったドラッグストアのライト・エイド(RAD)が小幅に安く、決算が市場予想を下回ったベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)が大幅安となっています。特許侵害を犯しているとしてフィンランドのノキア(NOK)から提訴されたアップル(AAPL)も軟調でした。 先週末の米国市場では、上海市が独占禁止法違反で中国合弁会社に罰金を科すと発表したことでゼネラル・モーターズ(GM)が軟調だったほか、栄養製品を販売するGNCホールディングス(GNC)が目標株価の引き下げを受けて急落しています。また、決算が市場予想を小幅に下回った従業員用ユニホームなど法人向け特殊サービスを手掛けるシンタス(CTAS)が大幅安となっています。一方で過敏性腸症候群の治験で効果が確認されたと発表した医薬のシナジー・ファーマシューティカルズ(SGYP)が急伸しています。

5.為替・金利等
22日の長期金利は0.02%高い2.55%となり、先週末の長期金利は0.02%低い2.53%となっています。ドル円は117円台で小動きでした。朝方は117円前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場ではダウ平均が22日と23日の2日間で8ドル余りの下げと大きな変化がみられなかったことから、本日の日本市場も小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか今晩の米国市場が休場ということもあって様子見となりやすく日中も方向感に乏しい展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)