みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についての解説ですが、まずは前回のおさらいから確認していきたいと思います。
前回は、「5月21日の高値を取引時間中上回っても、終値で上回ることができずに押し返されるようですと、再び反落してしまうことが考えられ注意が必要になるかもしれません。
なぜなら、前回指摘した5月末から6月に入って形成された3つの窓を埋める可能性があるからです」としました。

また、「そこで重要になるのが、上向きの5日移動平均線上を維持できるかどうかです。
仮に5日移動平均線上を維持するようですと、5月の高値を更新して2月の窓を埋めることが期待される反面、5日移動平均線を下回ると同時に5日移動平均線が下向きに変化するようですと、先週せっかく上回った25日移動平均線を再び下回ってしまうことが考えられると同時に、前述の3つの窓を上から順番に埋めてしまうことが考えられるのです」さらに、「そうなると上向きに変化した75日移動平均線辺りまで下落することが考えられ、下落途中の押し目買いは控える必要があるということが分かります」としましたが、果たして結果はどうなったのでしょうか。ではチャートをご覧ください。

日経平均株価の日足チャートを見ると分かりますが、前回指摘したように5日移動平均線を維持できずに下回ったのが6月14日でした。また、翌営業日にわずかに上回りましたが、6月18日には明確に5日移動平均線を下回ると同時に一時25日移動平均線も下回る場面がありました。
こうした状況になったときに注意しなければならないのが、これも指摘した押し目買いを控える必要があるということでした。実際に日経平均株価は6月19日の取引開始から窓をあけて下落する展開となりました。ただ、下げ渋った場面で取引開始時に発生した窓を埋めると、午後に入ってさらに下げ幅を拡大する展開となって終えているのです。
このような展開は先週のこのコラムで書いているわけですから、このコラムを読んでいた方は、なるほど、と思われたのではないのでしょうか。
ただ、こうした株価の先行きを予測することは予言などというものではありません。テクニカル分析を勉強すればだれにでも予測可能なことなのです。ただそのためには、なぜそうなったのかという根拠が必要です。そのために、このコラムでは理由もしっかり書かせていただいているのです。
もちろん知識や経験など、予測するなかで重要な要素を占めるものもありますが、予測の精度を上げることはだれでも可能なのではないかと思います。
さて、前回の確認はここまでとして、今後の展開はどういったことが予測されるのでしょうか。
6月19日までの日経平均株価の動向を見ますと、前回指摘した3つの窓のうち、上から2つ目までは埋めているのが分かります。そうなりますと、最後の3つの窓を埋めるかどうかが今週の注目ポイントなります。
仮に3つ目の窓を埋めて下げ止まるようですと、75日移動平均線近くまで下落することが考えられると同時に、下げ止まれば反発の兆しがでてくることが考えられる反面、窓を埋められずに推移すると、埋めるまではっきりしない株価動向になる可能性があります。
そこで問題になるのが、窓を埋めたあと下向きの5日移動平均線を上回ることができるかです。仮に5日移動平均線に押し返されて75日や200日移動平均線を終値で下回るようですと、下落基調がさらに続くことも考えられますが、5月30日の安値を下回らずに反発するようですと、下げ止まりにつながるのではないかと思われます。
今週は下落が続くのか、一旦底入れになるのか要注目です。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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