みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も窓についての解説です。大型連休中の海外市場の値動きが心配されましたが、結果は無難な連休明けとなり、株価もじわじわと切り上がっています。

そのため、前回指摘した重要な価格を上回っているのが分かります。それでは、前回のおさらいも含めて確認してみたいと思います。

 

前回は、「2月27日の高値(22,502円05銭)を上回ることができるかに注目していかなければなりません」としました。理由は、「連休の谷間でこれらの価格を上回るようですと、これまでの下降トレンドから上昇トレンド入りを示唆することになり、一旦売られる場面があっても75日移動平均線上を維持することが考えられる」からでした。
そこで実際の株価はどうなったのでしょうか?
実際の株価は、連休の谷間の5月1日に22,502円05銭を上回り、上昇トレンド入りが確認されました。連休明けの5月8日には終値でこの価格を上回って終える結果となっています。
そのため、上昇トレンド入りしたと考えられることに加え、窓を埋める可能性が高まっていると考えられそうです。
ただ、窓埋めまであと少しとなっているにもかかわらず、株価は伸び悩んでいるのが分かります。これにはどのような理由が考えられるのでしょうか。
テクニカル的な理由として考えられるのは、移動平均線の向きではないかと思われます。チャート上には5日、25日、75日の3本の移動平均線が表示されていますが、全ての移動平均線が上向きではありません。3本の移動平均線のうち、75日移動平均線が下向きになっており、戻り売り圧力が強いと考えられることに加え、買い上がるエネルギーも乏しいのではないかということです。
こういう状態のときに売買高が増加すれば、売り圧力を吸収することができると思われますが、売買高が増えないなかで株価が水準を切り上げるときは、じわじわと時間をかけて上昇することが多いというのが経験則です。
これがいわゆる日柄(ひがら)調整と呼ばれているものです。
したがって売買高が膨らまないなかで窓を埋めるためには、75日移動平均線の向きが横ばいになったり、上向きになったりするまで日柄調整が必要ではないかということが予測されるわけです。
「窓を埋める」という現象を見ていくだけでも、移動平均線や売買高なども関係してきますので、視野を広げてマーケットを見るようにしたいところです。
次回も窓について続きます。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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