みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についての話になりますが、前回のテーマを確認したいと思います。
前回は、「コモンギャップだったことが確認されることになるのか、あるいはブレイクアウェイギャップが発生したのかについて解説すると同時に、ブレイクアウェイギャップが発生した場合、フィボナッチリトレースメントの水準についても解説したいと思います」としていましたが、結果はどのようになったのでしょうか。

○日経平均株価(日足)

日経平均株価 (日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

結果は...。株価が反発する展開となり、2つある窓のうち、1つは埋める結果となっているのが分かります。そのため、2つあけた窓はコモンギャップ(普通の窓)だったという結果になりました。
ここでチャートを見てなぜ反発したかお判りでしょうか。実は前回のチャートに表示されていなかった移動平均線が表示されているのですが、それが200日移動平均線です。この200日移動平均線がサポートになって下げ止まると同時に反発に転じたのではないかと考えられそうです。
これまで窓をあけて株価にトレンドが発生しそうになったとき、その流れが加速するのか、止まってしまうのかに影響を与える節目(過去に株価の上昇や下落が止まったところ)がありました。
また、節目以外にフィボナッチリトレースメントも株価の上昇や下落の目途を探るための重要な判断材料になりました。そしてさらにサポートや抵抗になると考えられるのが、移動平均線でした。
今回のケースでは、その移動平均線のなかでも長期のトレンドを示す200日移動平均線がサポートになって株価の下げ止まりにつながったのではないかと思われます。
そうしたなか、今週中にもう1つの窓を埋めることになるのか、あるいは200日移動平均線を下回ってしまうのか、まだ予断を許さない状況と考えられそうです。
なぜなら、200日移動平均線は緩やかな上向きを続けていますが、2月27日に押し返されたのと同様に、25日移動平均線の下向きが続いているからです。
そのため、今週中に25日移動平均線が上向きに変化してサポートに変わる必要があると思われます。
そうなれば、2つ目の窓を埋めることも視野に入ると考えられる反面、25日移動平均線上を維持できないようですと、2つ目の窓を埋めることができないまま調整が長引くことも考えられますので、25日移動平均線上を維持して2つ目の窓を埋めることができるかに注目し、今後の株価を探るための判断材料にしたいところです。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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