先週末(30日)で6月が終わり、その時点で個人的に何より確認したかったのはドル/円の月足・終値が一目均衡表の月足「雲」上限より上方の位置に留まったかどうかということでした。結果的には、また6月も月足・終値が月足「雲」上限を上回る格好となり、あらためて同水準でのサポート力の強さを確認することとなりました。

もちろん、この7月以降もドル/円の月足の推移からは目が離せません。ちなみに、7月の月足「雲」上限は112.67円、8月は114.52円、そして9月は115.77円まで、その水準が切り上がります。それでも、なお月足「雲」上限は下値サポートとして機能し続けることができるのかどうか、非常に興味深いところです。

次にドル/円の週足の推移を見てみましょう。下図でも確認できるように、ドル/円の週足は先週まで3週連続の陽線となっており、足下の基調の強さが感じられる展開となっています。6月に入ってからは、一旦週足「雲」を下抜ける場面があり、その局面では62週移動平均線(62週線)のサポート力が試されました。

今思い返しても、やはり6月半ばあたりまでのドル/円の下げは不可解で、どう考えても行き過ぎでした。その実、6月第2週の週足ロウソクはやや長めの下ヒゲを伴う陽線となり、同時に週足雲をクリアに上抜けたことで、そこから3週連続の強気の展開となりました。テクニカル分析の観点からしても、こうしたパターンは大いに今後の参考となります。

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足下のドル/円は、6月21日更新分の本欄でも想定したとおり、31週移動平均線(31週線)が位置する水準にまで到達してきており、目下は同線をクリアにブレイクできるかどうかが試される状況となっています。

図中でも確認できる通り、この31週線を上抜けても、その上方には今年の3月高値と5月高値を結ぶレジスタンスラインの延長線が待ち構えており、目先は同ラインをクリアに上抜けるかどうかという点も要注目です。もちろん、31週線とレジスタンスラインの双方をすんなり上抜ける展開となれば、そこから一段の上値余地が拡がるものと思われます。

なお、6月21日更新分ではドル/円の日足が日足「雲」を上抜けるかどうか、さらに日足の「遅行線」が日々線を上抜けるかどうかという点にも注目していました。その後、日足のドル/円は見事に日足「雲」を上抜け、日足の「遅行線」も日々線を上抜けるという強気の展開になっています。ちなみに、当時は下向きだった21日移動平均線(21日線)も上向きに転じてきており、概ね想定していたとおりの展開になってきたと言えます。

今後は、まず前述したように今年3月高値と5月高値を結ぶレジスタンスラインをクリアに上抜けるかどうかが一つの焦点です。実際、ドル/円は一昨日(3日)に一時113.47円まで上値を伸ばした後、同ラインに上値を押さえられるような格好で上げ渋る展開となっています。仮に、同ラインを上抜けてくれば、その後の上値の目安は当然、5月高値=114.37円、3月高値=115.51円などということになってくるでしょう。

目先的には、今週7日に発表される6月の米雇用統計の結果が気になりますが、それ以上に来週11日に発表される5月の『米求人・労働異動調査』の結果が興味深いと個人的には見ています。ちなみに、前回(4月分)の米求人件数は過去最高でした。

コラム執筆:田嶋 智太郎
経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役