日経平均の昨年高値(20,868円)からの調整は来月で12カ月(1年)が経過しますが、あらためて株価位置を確認してみます(図表1)。アベノミクス相場ではバブル崩壊後に付けた戻り高値のうち、2000年と2007年高値の2つのフシを上回ることに成功しました。現在は、その2つの高値をつないだ下値支持線に向けて調整が続いています。長期的に上昇が続くとすれば、押し目買いのひとつのポイントになる水準であり、タイミングも近いかもしれません。
下の青グラフは長期投資のタイミングをみる指標で、「コポック指標」といいます。日経平均やTOPIXなどの平均株価の月中平均を使い、ある時点と比較した騰落率の加重平均線です。ここでは12カ月前と比較した騰落率の10カ月間の加重平均(現在に近づくほど1倍ずつ比重を加算していく、計算対象期間で最も新しい価格には10倍する)で描いています。主には底値圏での買いタイミングをみるもので、指標がマイナス圏にあり、上向きに転じることが買いサインの条件となります。
足元は、昨年高値からの調整過程のなか、今年4月にマイナス圏には入ったばかりで5月16日現在、下落が続いています。12カ月前の昨年5月は2万円を超えていましたので、何となくおわかり頂けると思います。過去、マイナス圏に入るとろくなことがないのですが、一概にそうとも言い切れません。ただ、マイナス圏にあっても、指標が上向きに転じない限り、長期投資の買いサインにはならないのです。

20160519_DZH_graph01.JPG

そこで、どのタイミングになれば、マイナス圏で指標が上向きに転じるのか?将来の株価推移を想定し、やってみました。
今のまま6月以降も月中平均が16500円で続くと見立てる(図表2)と、12月に上向くことになります。15,000円-15,500円の場合(図表3)は1月に上向く。直近の価格に比重を高くする指標なのでいつか反転しやすくなりますが、下げれば下げるほど買いサインが遅くなります。逆にここから水準を上げ、17,500円-18,000円の場合(図表4)を想定すると9月になります。
最後に2000年、2007年高値からの下落トレンドにおける平均騰落率を当てはめた場合(図表5)、1月に上向くことになります。すべて「たられば」ですけどね。
ただ、月足なので日足ベースの反転局面に当然遅れますが、信頼性は高く、ゆっくりタイプの方にはお勧めの指標です。

20160519_DZH_graph02.JPG
20160519_DZH_graph03.JPG
20160519_DZH_graph04.JPG
20160519_DZH_graph05.JPG

東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

「トレーダーズ・プレミアム」は、個人投資家の心強い味方です!!
(DZHフィナンシャルリサーチのウェブサイトに遷移します。)