海外投資家は2013年、日本株を14兆円~15兆円程度買い越しました。年初からの日本株の大幅調整は、海外投資家の売りが要因であるのは疑う余地がありません。ただ、アベノミクス相場に対する期待感が後退したわけではなく、米国の雇用統計の悪化をきっかけとした好景気の頭打ち、中国の景気減速への懸念、新興国リスクの連鎖への警戒感が重なり、積み上げ過ぎた日本株のポジションを調整しただけに過ぎないような気がします。その弱気相場に売りで加担した短期の投機筋の方がすさまじい。特に、日経平均の15,000円割れから14,000円まで動きを活発化させた可能性が高いのです。個別株のイベント(決算発表)要因で崩れたチャートからもうかがえるように、買い物がない状況で押し下げられた様相でした。14,000円まで売ったのは投機筋です。足元の反発もその売りの買い戻しなので、彼らは儲かってない。昨年5月高値から6月安値までの急落場面と同じでしょう。

例を挙げると、ミズノ(8022)は500円割れで目先的には基調が崩れたパターン?にあったのですが、決算をきっかけに急騰し戻り高値を一気に更新しました。決算への反応が異常に強くなる個別株が多かったですよね、最近。パナソニックなどもその部類に入ります。普段あまりみられない。私も20年以上、個別株のチャートはいろんなパターンをみてきましたが、なかなかない動きです。個人的な感覚では投機筋の買い戻し以外には考えられない。

これらの値動きからヒントになり予想できることは、市場の落ち着き次第では売り方の買い戻しをきっかけに強い反発相場が実現するかもしれないこと。今年はNISAなどを通じて、個人投資家の行動が何かと話題になる場面が増えるでしょう。3月期末の権利・配当取りを見据えた買いへの思惑がそろそろ強まる可能性大です。

日経平均やダウ平均は2月後半にかけて二番底の展開が予想されますが、「急反発」はあり得るシナリオでしょう。だって、こんなに「空売り比率」が高くなっていますよ。

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以上

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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